牡丹2 ページ3
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「わざわざありがとうございます。」
目の前に止まった黒い車の後部座席に乗り込む
そこには既に人が1人座っていて、真っ白な髪をした私の上司がギロリと睨んできた
「なんなの……その格好は」
「あぁ……着物が血で汚れてしまったので捨ててきました」
髪や顔の分は拭き取れるけれど、さっさと退散しなくちゃならない短い時間で着物の血までは取れなかったのだ
だからといって、あんな男の血が付いたものを着ていたくないので、脱いできた
だから私は今
寒いけど、それ以外の問題はない
「潜入してからかなり時間もかかってるし、殺し方もお粗末。もっと上手く出来ないの?」
「昇進します」
私の上司はなんでも出来るパーフェクトマンで、こんなに若いのに既に若頭
頭がとても良くて、総長からの信頼も大きい
そんなできる人の補佐役なんてものをしているせいで、私は求められるものが大きいのだ
この上司は自分にとても厳しいけど、私にも厳しい
元々私は事務作業のようなものが多くて、だから現場なんかに出たこと無かったのに、ライオンの如く現場の真っ只中に放り投げられたことはまだ記憶に新しい話だ
「はぁ…それで、場所はわかったの?」
「はい。隣町にあるビルだそうです」
「わかった。今日は送ってあげるから、さっさと着替えてすぐに戻って」
「分かりました」
───私はこの街を牛耳る組織の一員だ。
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鈴凛(プロフ) - さ凄く好きです!! なんなんですか、文才ありすぎでしょう。 更新頑張ってください! 楽しみに待っています! (2021年1月4日 0時) (レス) id: 7339462afc (このIDを非表示/違反報告)
もろこ - もう好きという感想しか出てこなくなってしまいました好きです............更新めちゃんこ楽しみに待ってます!!!!! (2021年1月2日 3時) (レス) id: 132f83efa1 (このIDを非表示/違反報告)
優鈴(プロフ) - パールさん» いえいえ、!間違いは誰にでもあるのでだいじょぶですよ〜!(о´∀`о) (2020年12月31日 1時) (レス) id: 947ace3b30 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 優鈴さん» ありがとうございます(泣)。早急に直させていただきました! (2020年12月31日 1時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
優鈴(プロフ) - 順番がぁ……!20、23、22になっちゃってますよ、! (2020年12月31日 1時) (レス) id: 947ace3b30 (このIDを非表示/違反報告)
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