シンパティクシュ

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雄登「なんか、Aちゃんが
男子と話してるイメージなかったわ」









緊張の糸が解けたみたいに、

那須くんがふわっ、と優しく笑う









「廉くんは、ちっちゃい頃から仲良いから、」









ちっちゃい頃から、仲良いから、そこ、









ずーっと、一緒にいて
私を守ってくれた、1個年上のお兄さんは





憧れで大好きで、これからもこうやって近くにいてくれるのが当たり前なのかなって、思ってて。









けれど






気がついたら、

廉くんには、子供な私とは違って
綺麗で、大人な好きな人がいて。









こんな叶わない恋は




忘れたと思ってたの、








那須くんのことを、好きになってしまったから。









でも顔を見れば、
あの懐かしい気持ちが蘇る









まだ、私は廉くんを好きなのかな、









雄登「……Aちゃんは、
あーいうのが好きなの？」





「え、」








な、那須くん……、？







彼は、廉くんの背中を睨みながら

悔しそうな顔を見せた









私が、那須くんの名を呼びながら
彼を覗き込みば






雄登「う、ううん、なんでもない」






あれ、？……いつも通り、









雄登「映画見終わっちゃったし、どこ行く？」









電車の時から片想いをしていた

優しい、那須くんに戻ったの









んーと、





私の、行きたいところはね、







「季節外れの、」



「海に、行きたい」






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