イケメンに囲まれてます！ (ページ1)

今日:11 hit、昨日:1 hit、合計:4,928 hit

上半期第1話イケメンは突然にページ1

私はA。父の仕事の事情で名古屋から「整ヶ崎学園」に転校をする。もう５月、教室内でのグループはもう固まっているだろう…あぁ最悪だ。私は気怠い気持ちをしまい、家の玄関を出た。

第1話イケメンは突然に_____
「あ～ちっこくう！！」
転校初日から遅刻だなんてあり得ない、あってはならない！朝御飯はトースターを咥えて登校をする所に落ち着いた。これで中で焼けたトーストは私の口の中にスルスルと入っていくという寸法だ。
ガシャンガシャンチーン

ドンッ！！

トーストが焼けたとともに、それは宙を舞った。何故なら私は____…イケメンと曲がり角でぶつかってしまったからだ……

「だ、大丈夫かいお嬢ちゃん！あっあぁ…俺のせいでトーストが…」

見るとこんがり焼けたトーストが水溜りの上でしなしなになっていた。ぶつかった彼は至極申し訳なさそうな顔で頭をかいている。

「良いんですよトーストの一枚や二枚。それに、お互い様ですよ」

そう、お互い様なのだ。彼も遅刻しそうな中、水分だけでも取ろうとしたのか咥えていたヤカンを道路
にぶちまけていた。

「はは…それもそっか。悪かったね、お嬢ちゃん。っていうか君、整ヶ崎学園通い！？」

「あ、はい！もしかして貴方も…？」

「そうそう！あ、まだ名乗ってなかったね。僕は王宮宮宮太(おうきゅうみやかんた)っていうんだ。これから仲良くしてよ。一年だよね？僕もなんだ。」

「あ、はい1年です！私はAっていいます。今後ともよろしくお願いします。」

「ハハ、Aちゃん固いなー。タメでいいよ！あ、ごめん迎えの車が来ちゃった。また学校でねー！」

「へへ。はい！また学校でー！」

優しい人だったなー…。でも車でお迎えが来るなんて、相当お金持ちなんだろうな。っていけない！遅刻しそうだったんだ！私は一生懸命走りながら、小さな胸のトキメキを覚えていた。

ー車内ー
「…あの子、Aって言ったっけ…。あんな可愛い子いたかな…？」

「どうしました、坊ちゃん。今朝から顔色が随分良いですけれど。」

「い、いっいいっいやじいじ！なんでもないよ！心配かけてごめん。」

「いえいえ坊ちゃん。お気になさらず。今度からはヤカンでなくバケツに致しましょうね。色が鮮やかですから。」

「ああ、いいなそれ！バケツの色鮮やかさならあの子も…」

「あの子…？」

「いっいやなんでもない！」