【カゲプロ】ヒビヤを追いかけてきた女の子は実は能力者で…。 (ページ13)

今日:15 hit、昨日:3 hit、合計:14,566 hit

第１３話ページ13

「…あのカノがちゃんと約束守るなんて…。」

「僕ってそんなに約束守らないかな？」

「すぐ嘘つくからな。」

「そうだよ！すぐ私のこといじめるもん！」

「泣いていい！？」

あれからカノさんはいつも通りにいる。

でも、私の目にはやっぱり泣きの文字が浮かんでいる。

なのに…なんでだろう…何か無理してる顔には見えない…。

「Aちゃん！」

マリーさんに声をかけられた。

『…何ですか？？』

「Aちゃんは、何歳なの…？」

『…１２才…ですけど…。』

「…１２才かぁ…若いね！」

『…？マリーさんも若いんじゃないんですか…？』

見た目からしても…十代なのは確実だよね。
私と同い年はさすがになくても…15、6歳くらいかな…。

「えっとねぇ…私は…夏が来たのが今年で140回だから…。」

『…へぇ…140回…。』

ん？

何かおかしいとは思わないのか？
え？140回？

待って待って。

夏が来たのが？

ってことは、１年が何回来たかで…

140回…。

つまり、

『…140歳ってこと！！！？？』

私は思いっきり叫んだ。

「うわああああああっ！！！！」

その声に驚き、マリーさんがひっくり返りかけたのを、素早くセトさんがキャッチする。

「…危なかったっす…。」

ふうっと安堵の息を漏らすセトさん。

『ご、ごめんなさいっ！！！』

私は後ろに下がる。

と同時に頭を思いっきりぶつけた。

『…いっ…たぁ…っ！！誰！？こんなとこに壁おいたの！！！』

皆がポカンと口を開ける。

こんな漫画みたいなことまずないもんね…。

「…えっと…壁はもともとあったぞ？」

キドさんが即座につっこみを。

「ぷっ…あははははははは！！最高！いまのよかったよ！あの反応といったら…キサラギちゃんにそっくりだね！！……ぶふっ。」

『…吹き出さないでください。』

私は半分痛いのと、恥ずかしいのとで目に涙をためる。

「ぷっ…ははっ……ぶふぉ！！！」

『…カノさん！！！本気で怒りますよ！？』

私が拳を構える。

するのカノさんは胸のまえで手をヒラヒラさせながら

「ごめんごめん。もう吹き出さないから。ね？そんな怒らないで！
かわいい顔が台無しだよ？」

かああっと顔が赤くなるのが分かった。

『…っ。可愛くないです！！』

私はふんっと背けて、歩いていく。

『…もう！ほらカノさん！早くいきますよ！！』

私はカノさんの腕を引っ張ってぐいぐいと進んでいった。