ようやく。 ページ6
「ねぇ……ちゅうや…私たちってさ、付き合ってるの……?」
中也が驚いたよう私を見る。
そして、じゃあ、と言い私に顔を近づける。
中也が額を私の額にくっつける。
「俺と、付き合ってくれ」
カアッと顔が熱くなる。
眠気なんて飛んでいった。
「は……はい…」
かすれた、蚊の鳴き声のような声で答えた。
幸せが溢れすぎて胸が熱くなる。
詰まるような緊張感が解けて、盛大にため息をつく。
「ンだよ、もっと格好いいのが良かったか?」
すねたような口調で中也が言った。
「あ、いや…良かったって…思って……」
ダラダラとソファからずり落ちて床に座る。
「ずっと不安だったのか?」
「そりゃねぇ…」
「マジかよ…俺は初めてお前がこの家来た時に告白したつもりだったんだけどな…」
そんなことあったっけな…と考えを巡らす。
「中也なんか言ったっけ?」
「それすら覚えてねェのかよ〜」
中也が照れたように天を仰ぐ。
「あ〜……あれだよ……、お前と大して理由変わらねェって言ったやつだ」
「あれか!あれはね、嫌われてなかったって安心して自分の中で片づけちゃった」
呆れた目で中也が私を見下す。
「ほら、もう寝るぞ」
そう言って私に手を差し伸べる。
「はーい」
中也の手を掴んで立ち上がる。
手を離そうとしたとき。
手を勢い良く引き寄せられた。
おかげで私は中也の体に思いっきりダイブ。
「どっ…どうしたの…」
心臓の音が中也に聞こえるんじゃないかと思うほど心臓がバクバク言ってる。
「…やっと俺のモンになった」
中也が安心したようにそう呟く。
なんて返したら良いか分からず、ただ顔に熱い血が集まってくる。
「顔真っ赤だぞ」
私の顔をのぞき見てケタケタ笑う。
「逆になんで照れないの…?」
顔を手で扇ぎながら中也に聞くと、当たり前だとでも言うように、すぐに答えが帰ってきた。
「男が照れてたら格好悪いだろ」
そう言うことさらっと言う中也が好きだなって思いながらも、また別のこともふと思う。
―――――――いつか絶対照れさせてやる
中也に寝室まで送ってもらう。
「おやすみ」
「ん、おやすみ」
頭をポンポンされた。
今までも何度か頭を撫でられてたけど、それとは比べ物にならないくらい幸福だった。
ベッドに寝転んでもずっと、幸せで、胸がドキドキして、寝付けなかった。
まさか、リアルで中也に恋するなんて、数日前の私は思いもしなかっただろうな…。
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nao - 私情はさみます……すいません、覚えてるかな、うちのことmaoです、これ見てくれてたら嬉しいです、そして返信くれると嬉しいな……… (2020年9月29日 23時) (レス) id: cb11543b97 (このIDを非表示/違反報告)
きおく(プロフ) - やっぱりハッピーエンドですよね…!!分かりました!!夢主ちゃんも中也も幸せにします!!コメントありがとうございました!!! (2019年9月26日 17時) (レス) id: 8fb2214b40 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - ハッピーエンドにしてあげて下さい!! (2019年9月26日 17時) (レス) id: 2eff2af79a (このIDを非表示/違反報告)
きおく(プロフ) - なるほど…!!ありがとうございますー!!! (2019年9月24日 18時) (レス) id: 8fb2214b40 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 私はハッピーエンドがやっぱりいいです! (2019年9月24日 12時) (レス) id: 11efb22fa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きおく | 作成日時:2019年7月22日 18時