乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【2】

東京卍會 ページ22

龍「集会始めっぞ！！」


龍宮寺の一言で隊員たちが足早に階段を上がり始める。



Aも上には行くが端の方に居ようと思い、エマたちのとこに行こうとする。



武「Aちゃん、今ちょっといいか？」

『わ、びっくりした。ムーチョくんどうしたの？』

武「急に悪いな…自分から言えって話したのになかなか行かねぇからよ」


急に話しかけてきた武藤がそう言って連れて来たのは三途春千夜だった。




武「じゃあオレは先に行くからちゃんと言えよ」

春「…」

取り残されたAと春千夜。
ちょっと離れた所から万次郎たちも見守る。




『あの、三途くん。何かお話でも…？』

春「……んで…かったな」

『…？』

春「腕強く掴んで悪かったな」


斜め下を向きながら謝る春千夜。

突然の謝罪に一瞬固まるAだが、すぐにこの前のことを思い出した。




『この前のことだよね。全然気にしないで。隆と圭介が大袈裟にしてただけだし……ほら、痕とか何もないよ？』

Aは自分の腕を出して見せてみる。

ね？と言って微笑むAに春千夜も少し安心した表情になる。



春「そうか、なら良かった。マイキーが女に手を上げるなって…それがマイキーの大事な人なら尚更。」


ゆっくりと言葉を紡ぐ春千夜の話を中断せずに最後まで聞いた後、「三途くんは優しいんだね」なんて言うAに思わず目を見開く。



春「初めて言われた」

『そうなの？わざわざ謝りに来てくれたし三途くんは優しいよ』

春「あんた変わってるな」


さっきまでの雰囲気が嘘のように普通に会話出来るようになる。
しかし、春千夜には一つ気になることが。




春「なあ、なんでオレのこと''三途くん''なんだよ」

『え、なんとなく？春千夜くんって呼んでる人いないし』


下の名前知ってんじゃねぇか、と急に不機嫌そうになる。




『じゃあ、春千夜くん』

春「長ぇな」


文句ばっかり…！と今度はAが頬を膨らませる。




『じゃあ春くん、とか？』

春「悪くねぇ」

『それなら良かった』


春くん呼びに満足したのかとても嬉しそうにしてるのが分かる。Aもつられてなんだか嬉しくなる。













羽「え、なにあれ？は？無理なんだけどあの雰囲気」

万「アイツのあんな顔初めて見た」

武「オレも」

三「ムーチョくんが見た事ないならみんなないよな」

松「何話してるんすかね」

羽「ちょっと行ってくる」

松「え！ちょっと一虎くん！」




____羽宮が乱入するまであと3秒

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