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子狐の悩み。 ページ47

今日も一日仕事を終えたAは帰路を辿りながら身体を伸ばす。

今日は用事で出かけていると聞いた鬼灯と顔を合わせる事はなかったが、今はそれがありがたいと思った。

「帰る前に檎ちゃんの所に行こうかな」

衆合地獄へと足を踏み入れると、前方から見覚えのある男女が歩いて来ていた。

「鬼灯様とお香姉さん。お疲れ様です」

「Aちゃんお疲れ様」

「お疲れ様です。今帰りですか?」

お香と鬼灯に会い、隣同士並ぶその2人の絵になる様に、

Aは改めて自分のちんちくりんさと未熟さを思い知らされ、笑顔の裏側で胸にじんわりとした痛みを感じた。

「はい。帰る前に檎ちゃんの所に顔に行こうと思って」

「あまり遅くならないように」

「はい。それでは」

会釈して去っていくAの後姿を見つめるお香はいつもと違う様子を感じとっていた。

「鬼灯様、最近Aちゃんとどうですか?

 白澤様ほど甘えてくれないとおっしゃっていたので」

「相変わらずですよ。

 しかし、他人行儀になっていた距離感が少し縮まって以前のような感じに近づいてきました」

「そうなんですね」

しかし、お香は先程のAには何だか距離があるように思えた。

まるで、本心を壁の様な物で隠しているような。

鬼灯様との事を変に誤解されたのかしら…

と心配しつつ、鬼灯と会話をしながら閻魔殿へと足を運んだ。








「どうやったら魅力的になれるのかな…」

檎の横で頬杖をつくAは力なく溜息をついた。

「そんなもん家で悩めばええじゃろ

これから開店なんじゃからさっさと帰り」

「…周りの女の人は魅力的な人ばかりなんだもん」

「頑張りすぎても毒。ワシを見てみぃ。

頑張ってなくても生きておる。人生程々が一番」

納得していない表情のAの背後から妲己が顔を出した。

「だったら転職してうちで働かない?

女としての魅力が磨けるわよ」

妲己のその申し出に檎は顔を真っ青にして慌てふためいた。

「そ、それは周りの保護者が黙っとらんですぜ。

白澤の旦那はともかく閻魔庁のあの怖〜い鬼がなんて言うか…」

「あら、鬼灯様のこと?いいじゃない。檎が対応すれば」

「そんなんすぐ剥製にされますわ…」

「それに、この子はもう前みたいな子狐じゃないのよ

何をしようと選ぶ権利があるわ」


2人のやり取りをあまり聞いていなかったAは

「考えときます」

と適当に返事をして桃源郷へと帰って行ったのだった。

子狐、バレます。→←子狐、アイドルに会います。



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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえいえ、、!鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい!気長に待ってます! (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀`) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、!!これからも更新楽しみにしてます〜!! (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2018年3月7日 0時

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