子狐が合格した理由。 ページ27
Aが働き始めて数日が経った日、桃太郎と白澤が薬の配達で閻魔殿へと訪れた。
「これが前回注文頂いた分です」
「配達ご苦労様です。あと、こちらをお願いします」
桃太郎から薬を受け取った鬼灯は新しい注文書を渡す。
「はい。確かに」
注文書を懐に仕舞った桃太郎は「で…その…」と言葉を続ける。
「どうしました？」
と鬼灯が聞いた途端グワッと桃太郎は迫力のある顔で詰め寄ってマシンガンの如く話し始めた。
「Aはどうですか！？迷惑かけてませんか！？職場の人と上手くやれてますかぁあああああ！！」
「…Aさんなら大丈夫ですよ」
桃太郎から距離をとり、飛んできた唾を拭った鬼灯は改めて向き直る。
「いや…だって鬼灯さんの事だから権力使って採用したのかと思って」
「まったく、私を何だと思ってるんですか。Aさんはキチンと実力で採用されました。
実際、筆記試験で満点だったのは彼女だけでしたし」
「まあ、昔から僕達の話とかよく聞いてるし、暇つぶしで家中の本読んでたしね
スポンジみたいにどんどん覚えるのが面白くて僕も色々教えたな〜」
鬼灯と白澤の話で桃太郎は思い出したように
「確かに。文字は日本語より先に中国語の方覚えてましたもんね」
「小さい頃からあの環境にいましたし、日常会話を覚える感覚で漢方や薬草の知識が頭に入っている為彼女は滅茶苦茶欲しい人材だったので採用試験を受けてくれて良かった。
薬剤部の主任も仕事を覚えるのが早くて助かると言ってました」
そこまでを聞いて安心したように胸を撫で下ろした桃太郎は｢良かった…なんかすみません｣と鬼灯に頭を下げた。
｢俺の中でAは小さい頃のままの所があるから心配で｣
｢そういった親御さんも多いですよ｣
3人の元へ聞き慣れた足音がした。そちらを向くとAが走ってきていたのだ。
｢桃タロー、白澤様ー｣
Aは嬉しそうに3人の前に止まった。
｢薬、そろそろ届く頃かと思って｣
｢タイミング良かったですね｣
鬼灯から薬を受け取ったAは納品書と薬を確認する。
｢じゃあ、俺達次の配達あるから行くな。頑張れよ｣
桃太郎と白澤は手を振って去っていき、Aも2人が見えなくなるまで手を振った。
｢薬が届いたらこちらから連絡しましたのに｣
鬼灯がそうAに言うと、彼女は恥ずかしそうに笑う。
｢だって桃タローと白澤様に会いたかったんです｣
確かに小さい頃の面影が残ったままだと鬼灯は思った。
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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (
レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - いえいえ、、！鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい！気長に待ってます！ (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀｀) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
褓(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、！！これからも更新楽しみにしてます〜！！ (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2018年3月7日 0時
