【鬼灯の冷徹】子狐こんこん弐

ヒーローと迷子ちゃん中編＊コラボ番外編＊ ページ13

「てか、皆で探せば早いんじゃねーの？」

だるそうに零すのはクラスの問題児爆豪。


「相手はどんな個性を持っているかわからん。待機だ」

「チッ」




ガタンッ





皆は音が鳴った掃除用具入れのほうを見る。

「ま、まさか…」

「爆破するか」

「や、やめないか爆豪くん！もし子供のほうだったらどうするんだ！！」


すると担任の相澤が掃除用具入れのほうに近づいていく。

「お前ら黒板側に下がれ、何かあれば各自自分の身を守れ」

バンッと勢いよく扉を開けると…



「ひゅっ…！」

中でしっぽを体に巻きつけて震えているAがいた。


「こ、子供…」

「なんだ、子供のほうかよ」

と皆は脱力していく。


「すごく怖がってる」

あまりのAの怖がりように女子達が同情しだす。

「どこから来た」

Aに目線を合わせてそう問う相澤。

それは決して子供にとって優しい視線ではない。


「ひぇ…」

「先生怖がってます！」

「もう少し優しく！」

女子達の講義に「あのなぁ…」と呆れ気味の相澤。


「先生、このことは報告に行ったほうがいいのでは」

真っ直ぐ手を上げてそう切り出す飯田。

「…そうだな。お前ら、すぐ戻ってくるから教室から出るなよ。

　何かあったらすぐ逃げろ」

相澤がAを連れて行こうとした時だ。


「せ、先生！良かったら戻ってくるまで子守しても…」

麗日が少し期待に満ちた顔で見つめてくる。

「何かあったらどうするんだ。親のヴィランが乗り込んでくる可能性があるだろ」

「あ…！でも、ここにはまとまった人数もいるわけですし…」

それに加勢する緑谷。

「襲ってきたらぶっ倒したらいいんだろ。むしろ体鈍ってるから好都合だ」

ヴィラン顔負けの極悪面で言う爆豪に少し引きつつ、他の女子や生徒の期待の眼差しに負けた相澤は一人渋々と教室を出て行った。









「わ〜ふわふわ柔らかい」

女子達はAの前にそれぞれ持っていたお菓子を広げ、

囲んで順番に尻尾を触っていく。


「俺も俺も〜」

と男子の上鳴が触ろうとすると、すぐに「セクハラ」と女子達冷たい視線を向ける。

「なんだよ！俺もふわふわ味わいたいし相手は子供だろ！」

そうやり取りしている間にAはトコトコと窓のほうへ近づく。


「帰りたい…」

学校の外の森を見つめながらでた言葉。


「あそこから、来たのか？」

近くにいた髪色が左右違う少年、轟がそう聞いた。


「わかんない。でも森なのは確か」

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