第32話 ページ34
伊東は真選組屯所の縁側で本を開いていた。目では文字を追いつつ、脳内は自身の「計画」でいっぱいだ。
昨夜の会議で総悟と共謀し、何度も局中法度を破る土方を無期限の謹慎処分とすることに成功した。
伊東としては今すぐにでも切腹させたいところだったのだが、近藤に強く反対されてそれは叶わなかった。それでも自分が真選組の事実上の実権をにぎることができたのだから十分ではあるだろう。
傍にたたずむ総悟に、伊東は目を向けぬまま話しかける。
「意外だったよ、沖田君。てっきり君は土方派だとばかり思っていた」
「土方派? そんな派閥があるなんて、今の今まで知りやせんでしたよ」
総悟がさらりと答えた。
「賢い男だ。望みは何かね?」
「もちろん、副長の座でさァ」
それだけ言うと総悟は縁側を離れ去っていく。その背中に向け、伊東は「その望み、果たすと約束しよう」と告げた。
背後に控えていた部下の篠原は納得が行かないようだった。
「よろしいのですか」
「かまわんよ。僕は副長などという役職を得たいがために土方とくだらん権力争いを繰り広げていたのではない」
篠原が眉をひそめる。
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yunami☆彡(プロフ) - 美穂さん» ご覧頂きありがとうございます!楽しんで頂けてとても嬉しいです♪今年受験生になるので更新の頻度が落ちるかもしれませんが、今後ともこの作品をよろしくお願いします! (2019年2月2日 16時) (レス) id: dcfedc9460 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - こんにちは☆凄く面白いです(*^^*)これからの更新楽しみにしてます♪ (2019年2月1日 12時) (レス) id: 8db3d29e8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yunami☆彡 | 作成日時:2018年8月21日 8時