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21話 ページ23

装填作業中、途轍もない爆音と共に船体が揺れた。
私は倒れないように力を入れ、踏ん張る。
あの揺れと爆音はなんだったのだろうと、自分の頭をフル回転させて考えていると上官が来た。

「後部に中型爆弾2発命中し小火災が発生したが、こんな事では大和は沈まん。早く作業に戻れ」

上官の表情は、焦りや不安など感じておらずまだ大丈夫だと言いたげな顔をしていた。

今の日本軍の戦力を確認するべく海面に目をやると駆逐艦浜風と軽巡洋艦矢矧が集中砲火を浴びている。その光景に息を呑む。もう沈むのではないかと思うほどの被弾しているにも関わらずまだ砲撃していた。その時一瞬ではあるが、船体前部に向かってくる一筋の白い線を見逃すはずがなかった。
なぜなら

「魚雷だ!!」

それは駆逐艦電を沈めた魚雷だからだ。
魚雷は左舷前部に1発命中した。
他に魚雷がないか確認していると爆発音と共に駆逐艦浜風が沈んでいった。
後部に爆弾が命中してから僅か数分の出来事だった。

数分後今まで大和に攻撃していた艦載機が群れを成して去っていく。
一時続いた空襲が止んだのだ。

しかし、油断はできない。
現在進行形で砲撃は続いており大和周辺の軍艦である駆逐艦涼月は、前部砲塔付近に被弾し、大破している。
体制を整えていると、またあの耳障りな音を奏でながら艦載機がやってきた。
断言することはできないのだが50機は裕に超えているだろう、先程よりも数が多い様に見える。

――まだ艦載機がいるのか……日本にはもう残っていないと言うのに。

そして駆逐艦霞に爆弾2発が命中し航行不能に陥ったと連絡が入った、そんな状況下で第二次空襲が始まった。

息をつく暇もなく艦載機により投下された魚雷が左舷に3本命中し、大和の副舵が取舵のまま故障したと上官から伝えられた直後、駆逐艦涼月と衝突しそうになったが間一髪涼月が避けた為大事に至らずに済んだ。



駆逐艦磯風が軽巡洋艦矢矧の救援中に被弾し航行不能に陥ったという無線が入り、その後集中砲火を浴びていた軽巡洋艦矢矧は轟沈した。

その間に大和への空襲は勢いを増すばかりで、船体が左舷に傾斜20度程傾いた時艦内放送が流れた。









「総員最上甲板、至急集まれ」

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фата*(プロフ) - エリア51さん» コメントありがとうございます。少しばかりマニアックではないかと不安でしたが、その様なコメントを頂き嬉しいと共に安心致しました。更新頑張りますので、物語の終わりまで暫しお付き合い下されば光栄です。 (2017年1月23日 6時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 10話や11話がとても細かく書き込まれていて、艦が好きな私はのめり込んでしまいました。とても素敵ですね。ご活躍応援しております。 (2017年1月22日 22時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 菊桜さん» 読んで下さり本当にありがとうございます!更新頑張りますね! (2016年6月2日 13時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
菊桜 - とても言葉が綺麗だなぁと思いました。凄いですね、お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。応援しています。 (2016年6月2日 6時) (レス) id: a6eb43f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2016年6月2日 4時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:фата* | 作成日時:2016年6月2日 3時

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