17話 ページ19
話してくれた彼が立ち去ったあと、少しの静寂が訪れた。
私はそれに耐えられなくなり話題を変える為に必死に考えた結果
「あ、あのこの海上特攻ってどのような作戦なの?」
今参加している作戦のことしか思い浮かばなかった。
どうもこのような暗い雰囲気は苦手だな……と自分自身に対して苦笑していた私に対し、周囲の仲間は心底びっくりしていた。
「どうしたんですか?」
すると、びっくりしていた人の一人が話し出した。
「君はこの作戦のこと聞いていないのかい?」
「え、聞いてないですけど……そんなに驚くほどのことですか?」
「驚くも何も作戦内容を知らないなんて……この作戦は作戦名からわかるように特攻だよ。酸素魚雷を改造させたものに人が乗り、それを操り敵艦を鎮めるまだ正式に兵器と決まってはいないが回天というものがある。他には伏竜という人間機雷もある。我々はそれとは少しやり方が違うが特攻をするわけだよ。もちろん特攻をするわけだからもう生きて祖国の地を踏めないかもしれないが……」
私は最後の一言を聞いて絶句してしまった。
日本に帰れない……?
と、言うことは必然的にフェリに会えなくなってしまう。
まだ菊さん達へお礼もしていない、……この想いだって、フェリからの文の返事だってまだできていない。
これはあんまりじゃないか……?
「もう帰れないの……?」
私は声が震えるのを出来るだけ抑えながら呟いた
「まぁ、そう気を落とすな。もしもの話だからさ。大和が沈んでも救助が来るから。」
そう、落ち着かせるように優しく言った。
少し気を落ち着かせることができたので、お礼を言いなるべくここに集まっているたちに聞こえる様に大きな声で言った。
「あの、何方か小瓶を持っていたら私に譲っていただけますか?」
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фата*(プロフ) - エリア51さん» コメントありがとうございます。少しばかりマニアックではないかと不安でしたが、その様なコメントを頂き嬉しいと共に安心致しました。更新頑張りますので、物語の終わりまで暫しお付き合い下されば光栄です。 (2017年1月23日 6時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 10話や11話がとても細かく書き込まれていて、艦が好きな私はのめり込んでしまいました。とても素敵ですね。ご活躍応援しております。 (2017年1月22日 22時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 菊桜さん» 読んで下さり本当にありがとうございます!更新頑張りますね! (2016年6月2日 13時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
菊桜 - とても言葉が綺麗だなぁと思いました。凄いですね、お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。応援しています。 (2016年6月2日 6時) (レス) id: a6eb43f6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのあ。(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2016年6月2日 4時) (レス) id: aa5819e46f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:фата* | 作成日時:2016年6月2日 3時