第42話 ページ47
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「わわっ、Aちゃん大泣き…！」
「大丈夫か木下ー」
『だ、だいじょぶれす…』
女バレの先輩たちにおめでとうと言われ頭をぐしゃぐしゃにされる。同じクラスで女バレのピンチサーバーである宮野ちゃんにはタオルを借りてしまった。
ふと見た時の女バレの皆さんの顔は、嬉しさと安堵とほんの少しの涙を浮かべていて。烏野高校のバレー部として、女バレの分まで思いを繋げなきゃと、そう思った。
「じゃあ、私達もう行くからね」
『はい…応援ありがとうございました！宮野ちゃんタオル学校で返すね！』
「いつでもいいよー。じゃ、頑張ってね」
みんなが去っていく姿を見届けたあと、私も急いで潔子さんたちの元へ合流する。もう涙は止まったから大丈夫だと思うけど、泣いたことばれないでいてほしい。戦った先輩たちや潔子さんが泣いていないのに、ただの後輩である私ばかり泣くのはおこがましいから。
『…遅れてすみません！』
「おう。Aの声、届いたぞ」
大地さんはそう言うと、優しく頭を撫でた。
そんなことされるとまた泣きそうになってしまうからやめてほしい。だけど突然動きを止めた私に、焦ったように「え、俺手汗やばかった？」なんて聞いてきた大地さんのおかげですぐ涙は引っ込んだ。
「Aちゃん」
『旭さん！お疲れ様です』
「うん。今日の試合で改めて、俺は本当に仲間に恵まれたって思ったよ。
頼もしい1年が入ってきて、2年が空気を明るくしてくれて、大地がびしっとみんなをまとめてくれて、スガが全員のことよく見ててくれて、清水が陰からずっと支えてくれる。
そんで、Aちゃんと西谷がこんな頼りないエースを引っ張ってくれた。
今までの色々が無かったら、俺は今日壁を打ち破れなかったと思う。
だから……。ありがとうな、Aちゃん」
私は何もできないと思っていた。この部に限ったことじゃないけど、存在価値なんてあるのかなって。せいぜい潔子さんの負担を減らすだけの役割。
だけど、旭さんの言葉で全てが救われたような気がした。
まだ私がこの部に必要かどうかなんて分からないけど、少なくとも今までやってきたことは無駄なんかじゃなかったんだって思えた。
そう考えると、引っ込んでた涙がまた顔を現した。
「あー!!旭がA泣かしてるー!!」
「えっ嘘！？ご、ごめん！」
「何やってんすか旭さん！」
また幾段と騒がしくなるみんなを見て思う。
烏野でよかった。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
