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第24話 side縁下 ページ27

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大地さんと自販機に寄ったついでに雑談しながら廊下を歩いていると、前からAが走ってきて、俺達に気付くことないまま、大地さんにぶつかった。

いつも冷静で部員のことをよく見ていて、穏やかに笑うAの面影は、跡形もなかった。もともと白い顔は余計に青白くなり、過呼吸のせいか涙まで流していた。大地さんが呼びかけても気付く様子もない。


大地さんに任されて必死に背中をさすったり声をかけたりするけど、一向に良くなる兆しが見えない。どうしよう、と思っていると大地さんと一緒にコーチと、少し後ろから先生が走ってきた。

コーチが声をかけると、目の焦点が合った感じで、ようやく落ち着きを取り戻したA。



何があったかコーチが問うと、


『変質者…!』


そう答えた。

状況を事細かに話すと、自分で何とかしようとしてるのか、Aは徐に立ち上がる。けれど酸素不足でクラクラしているのか、すぐ後ろにいた大地さんの方に倒れ込んでしまった。

それでもまだ無理をしようとする様子を見て、大地さんが強制的にAを座らせた。Aは辛そうな顔をしているけど、今のは大地さんの判断が正しいと俺も思う。



騒ぎを聞きつけてきた他の2・3年生も集まってきたとき、先ほどAが走ってきた方の奥から

「キャプテン!」

と呼ぶ声。


月島が、珍しく焦ったように走ってきた。



「どうした?」

「なんか、女子風呂の方に変なやついて…」

「「!!」」

「捕まえました」



その言葉を聞いて何も言わず走り出した奴が2名。大地さんも無言で歩いていった。
かく言う俺も冷静ではない。Aに怖い思いさせたんだから、当然だ。

木下と成田、菅原さんに月島が残ってくれるみたいだから、俺も風呂場の方に向かった。



***



男は、日向たちがどこかから持ってきた縄で縛られ、日向に乗られ、影山に足で踏まれていた。山口は俺達の顔を見るなりひぃ!と声を上げていたが、許してくれ。



「…てめえか?俺らのマネージャービビらせたのは」

「ふざけんじゃねえぞこの野郎!」



田中と西谷が凄みを利かせる。相手が練習相手とかだったらすかさず待ったをかけるが、この状況で止めるはずもない。俺も同じ気持ちだ。



「まあ落ち着け、お前ら」

「大地さん、!」

「こいつの対処は先生たちがしてくれるだろ。

…だがその前に、俺達のマネに手出そうとしたんだ。




当然、覚悟は出来てるよな?」






男の顔が引きつったのが見えた。

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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しいお言葉…!!のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふぃる | 作成日時:2020年2月7日 11時

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