【文スト】スカーレット・バレット【男主】

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「……緋景さんて、見た目によらず、甘党なのだね」



＿＿＿＿ランドマークタワーに併設された建築物内にある喫茶処(カフェ)の一角。


そこのテラス席で、タワーをぶらついた緋景と太宰は休憩がてらブランチをすることになった。


……高い場所ではないが展望はなかなかよろしい。スカイガーデンの辺りが望めるのがまたいい。見晴らしがいいということは敵の動向がよくわかるということだ。


国際刑事警察機構の潜入捜査官を名乗るだけあって、物見遊山気分を律する自分も心中に存在しているのだろう。きちんと考えがあって下見をしている。



……今の彼にその『自分』が機能しているのかは知らないが。



「大人の男が甘いものを食べてはいけないなんて決まりはないだろう？ いただきます」


「でも、いい年した男がさあ……ビッグサイズのパフェって画的にどうなのさ……」



君も好きなのを頼むといいと云われたので、遠慮せず太宰も高めのメニューを注文したが、真逆彼が店の中でも最高値の商品を選択するとは。……流石の太宰も予想外である。


いくらなんでもアラサーの男が一人で甘味を頼めるほどメンタルが強くないので、君がいてくれて助かった、とかなんとか云っていたが、生憎太宰も中学生、下手すれば高校生の年齢の男子。


画的に改善要素が見当たらないんだけど、と太宰は思うわけだが。



「問題ないだろう、君は少し幼く見える。背も伸び代はありそうなんだがな」


「うっわ腹立つ。何それ、誰目線」


「大人目線だ。まあ君くらいの身長の中三男子なんて沢山居るさ。気にすることじゃない」


「おじさんのくせに……」


「反撃容赦ないな坊や」



また緋景が苦虫を噛み締めたような顔をしたので、太宰は頬を膨らませてみせた。



「ねぇ、だから、その坊やっていうのをやめてよ！ 何度も云うけど僕はもう15歳なのだよ？ 働ける年だ、大人だ、断固抗議する！」


「だから、15歳と云うとまだ中学生か高校生だろう。流石に大人と云うには早すぎる」


「そんなことないさ。僕はもう酒だって嗜んでるし」



まだ楽しめるという程に慣れてはいないが、そのうち慣れるだろう。……煙草は趣味ではないので、あまり吸う気はないが。


……緋景は未成年飲酒に対して然程厳格な態度を取る気はないようだったが、良識ある常識人らしく眉根は寄せる。



「おいおい……まだ君は未成年だろう。飲酒は身体に悪いぞ。森殿に叱られないのか」

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