【ツイステ】無力な海の王子様【男主】 (ページ34)

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…………………… うむ、完全に眠りに入ったな。

全く、チョロいというかなんというか。

正真正銘の弟と名乗りはしたが、血縁関係が【本当】にあるかどうかなんて確かめる術がない。

疑り深いアズールが、【友人】という立場だった俺を【弟】と簡単に思い込んだのは、やっぱりあの状況がいけなかったのだろう。

俺の本当の姿が、吸盤のついた八本の足だと言うのは事実だ。それは紛れも無い。

だが、それだけでアズールの血縁者であるという根拠にはならない。

では、何故俺達がこんなにも簡単に、根拠も無しにお互いを兄弟だと思っているのか。

それは、俺達の身体に秘密がある。

俺達の身体には、共通点があるのだ。

実は、アズールには臍の左側にごく小さな痣がある。

その痣は、よく目を凝らして見てみると、左向きの三日月の形をしている。

そして、それの対になる様な痣が、俺の身体にもあるのだ。

形も大きさも、まるで本当に反転させた様な位置にある事から、アズールは薄々勘づいていたらしい。

そして、俺が匂わせ発言をしたことによって完全に信用した、ということらしい。

………… まあ、正直な所、本当に血縁関係が有ろうが無かろうが、どうでもいい。

幼き日に、この子を【護りたい】と感じた瞬間から、俺は自分の感じたままに行動しているだけ。

だから、どんな真実が待っていても、俺は可愛いアズールを護る。何があってもだ。

何せ、アズールのオーバーブロットのリスクを大幅に軽減する為だけにユニーク魔法を編み出したのだから。

あの子の、禁術クラスの魔法は余りにもリスクが高過ぎる。

だが、あれは努力の賜物。あの子が周りのヤツらを見返したいが為に努力し、習得した素晴らしい魔法。

リスクが高いからって使えなかったらあまりにも可哀想だろ。