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弐拾壱 ページ22

暗い夜道を歩いていると、童磨の言った通り、鬼の気配が沢山ある。









今の僕はただの人間だ。










どうにかして、安全に【この身体】を護りつつ、兄様の所に急がなければ。








成る可く鬼の気配が薄い所を通りながら、慎重に行動する。
















すると、どうやら鬼達が僕に勘づいたらしい。











拙い、これは非常に。




……………… 仕方ない。







多分、兄様の所に戻る頃には、凄いことになってるだろうけど、使うしか無い。









熾勇「……………… 【虚無】。対象は、この場から冨岡邸迄の道程に居る総ての生物。




頼むから、邪魔をしないで。」






そう囁いて、僕は手のひらを切り、溢れ出た一雫を地面に垂らす。











これで、鬼は人になる。異能力者も人になる。






僕を邪魔出来るものは、どこにも居ない。













安全になった道程を、僕は歩き始めた。









何事も無く、人通りが多い場所まできた。






だけど、僕もそろそろ限界だ。








そろそろ、【血】が足りない。















童磨に首を喰いちぎられてるし、血鬼術でも血を流したままだ。








今の僕は、ただの人間だ。





これだけ出血して居たら、さすがに意識が遠くなってくる。















もう少し、………… あと少し。






兄様がいらっしゃる、あの家まで………………
















すると、何処からか声が聞こえる。














僕の名を呼ぶ、たくさんの声が。























炭治郎「熾勇っ!!居たら返事をしてくれ!」




善逸「………… 多分、この辺りにいると思うんだけど。」



伊之助「……………… おい、なんか血の匂いがしねぇか?」


















……………… 嗚呼、兄様じゃない。























兄様じゃ…………………… な、…… い……

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作者名:アルビリオン | 作成日時:2020年4月17日 10時

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