好きでいてもいいですか part3

あなたの優しさ ページ12

自転車にまたがり、まず向かったのは勇気の所。



さっき別れたから、家にもうついてるはず




そんな予想を立てて家に向かった。





幼馴染ゆえ、御両親とも仲良くさせてもらってる。




インターフォンをならすと優しい口調のお母様が出て、部屋に招き入れる




勇気「おぉ、どうした？なんかあった？」




勉強していたのか机の上には分厚い教科書がいくつもあった



「うん、ちょっと…ね」




勇気「…とりあえず座んな」




椅子を降りてベットに腰掛ける。

勇気が隣を手でポンポンとした所に座った




勇気「…それで？」




「…あの…」




やばい、来たわいいけどなんて言おうか…




言いたいこといっぱいあるくせにちゃんと文にしようとするので頭がぐちゃぐちゃ。




考えていたら、肩をぽんと押された




「…へ？」




そのまま仰向けになりその上に勇気がいる状態




まったく頭が追いつかない。




でも、自分も年頃の女。
ましてや勇気は一応交際相手。




すこし、焦った




「え…っ…勇気？」



そう言うと、勇気が口を開いた




勇気「別れよっか」





予想、していなかった言葉だった




勇気「利用していいって言ったけど、いいもんじゃないね笑」



少し笑って、手を引いて元の通り座り直った。




勇気「自分勝手でゴメンな」





「まって…なんで…」




勇気「俺が耐えられなかっただけ！」




無駄に元気に言ってくる。




勇気「だからさ、もう無理しないで」




女とは違う大きな手が頬を包んだ



親指で触れられる目元。


それが涙だと気づくのにじかんはかからなかった。




「ごめんなさい…っ」





勇気「あやまんな笑…行かなくていいの？」





こんなに傷つけたのに、最後まで勇気は優しかった。



カバンを持って部屋のドアに手をかける。




開けようとしたが、振り返って、勇気を抱きしめた





「ありがとう」





たった五文字。




それだけを言って部屋を出た。




もし、あなたの気持ちが変わっていてもいい。



ただ、本当の気持ちを伝えたい。



ただ、会いたい。



お母様に一言挨拶をして、自転車の鍵を開ける




今一番会いたい人の所へ行くために。

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