色のない世界で、君と 2【めいちゃん】

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お風呂に入って濡れた髪を乾かしていると「ただいまー」と気の抜けた声が聞こえて急いで玄関に向かう。



「おかえり、お疲れ様」


「ありがとー」



ソファにぼすんと倒れ込むとちょいちょい、と私を手招く。


仰向けになってるめいちゃんを上から覗き込むと少し疲れた顔をしてる。

そりゃそうか、2時間も歌い続けてた訳だし。



「今日、俺頑張ったよね」


「うんカッコよかったよ」


「偉いのご褒美は？」



……、


その言葉に私はカーペットに膝をついてめいちゃんの横に手を付き、唇を重ねた。

いつもの触れるだけのキスじゃなくてもっと深い口付けをしてみた。


ファンの人達に囲まれて嬉しそうに歌うめいちゃん。

それに少し嫉妬した、私がいちばん好きなのにって。


めいちゃんの反応が気になって少しだけ目を開けるととろんとした瞳と目が合って慌てて目を瞑る。


首元に手が置かれ、親指ですりすりと私の耳を撫でる。

ん、と漏れる声はめいちゃんに吸い込まれて、私たちの間にだんだん甘い空気が漂い始めた。



「…ずっと一緒にいたい」


「うん、いよう」



めいちゃんと一緒にいれば色が分からなくたって世界が輝いて見える。


この世界で生きることが楽しくなる。


ぜんぶぜんぶ、めいちゃんのおかげ。



「きゃあ！」



ぐんと腕を引かれてめいちゃんの上に覆いかぶさる。

そのまま抱き締められて動けない。



「はぁ、幸せ」



それは私の台詞だよ。



私はこれからも大好きなめいちゃんと人生を歩んでいく。









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Fin

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