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男装やめて83日目 ページ1

『し、らぶ、せんぱ…。』

赤葦先輩の攻撃にクタクタの俺を助けに来たのは、特殊な髪型の救世主。

我らがセッター。白布賢二郎。

白「…A。起きてたのか。体は?大丈夫か?」

『…へ?』

え、なんで何事もないように話てんだよ。

赤葦先輩もポカンとしちゃってんじゃねぇかよ。

白「ほら、牛島さんたちが心配してるぞ。」

けんじろー先輩は俺に近づくと、赤葦先輩をのけて俺をベットから引っ張り起こす。

『あの、けんじろー先輩…?』

白「?なんだ?」

『え、いや…なんでもないっす…。』

俺はなんで赤葦先輩には反応しないのかと聞こうとしたがやめた。

俺は、けんじろー先輩のこの顔を知っている。

つとむが入部してすぐに、わかとし先輩の後頭部にサーブを当てた時と同じ顔。

ド怒り。

赤「…白布…だっけ?」

赤葦先輩が声を掛けると、白布は振り向く。

白「ああ。梟谷のセッターさんですか。いたんですね。気づきませんでした。」

ひでぇ。

赤「悪かったよ。ちょっとAにちょっかい出しすぎた。反省してるよ。」

薄く微笑む赤葦先輩。反省してねぇでしょ。このヤロー。

白「そうですか。…では。」

挑発とも取れる赤葦先輩の言葉を軽く受け流し、けんじろー先輩は俺の手を取って救護室から出る。

『…けんじろー先輩。』

呼びかけるも応答はなし。

歩くスピードはドンドン速くなる。

『け、けんじろー先輩っ!!速っ…。』

そこまで言うと、けんじろー先輩はピタリと止まった。

俺は急には止まれず、けんじろー先輩に追突。

そのまま、抱き締められる。

『けんじろー先輩…?』

白「悪い。頭に血がのぼってた…。」

いつもならどんな時も冷静で、強気で。

何も言わずともみんなをまとめてくれていたけんじろー先輩の声が

震えていた。

体も小さく

震えていた。

白「A、ごめん。俺がもっとちゃんとしてたら…。」

『けんじろー先輩。』

白「何?」

俺はけんじろー先輩の頭を

ぺしっ

軽く叩いた。

白「は…!?おまっ…何してんだ!!!!」

『気持ち悪いです。弱音はいてるけんじろー先輩なんて。』

本音をぶつける。

いつも俺達のことを軽く見下して、馬鹿にして、厳しくて、優しいけんじろー先輩が弱音吐いてるのはあんまり聞きたくなかったから。

白「…!!…うるさい。」

けんじろー先輩は俺にチョップ。

『痛っ!?』

白「ほら、行くぞ。お説教はまた後でな。」

フッと笑うけんじろー先輩を見て、安心した。

男装やめて84日目→



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naonao(プロフ) - 気になって夜しか眠れんです。 (2021年10月3日 4時) (レス) id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
naonao(プロフ) - 続きおなしゃす (2021年10月3日 4時) (レス) @page26 id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
Imoko(プロフ) - 無理のない程度に更新頑張ってください! (2021年8月20日 9時) (レス) id: cd79dbcbd3 (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - 続きプリーズ (2021年8月12日 6時) (レス) id: c7b850bf22 (このIDを非表示/違反報告)
奈々 - 続きプリーズ (2021年8月7日 19時) (レス) id: c7b850bf22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あなざーいか | 作成日時:2017年4月6日 10時

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