肆肆 光と闇 ページ45
下に降りると、公園の前や中には思った以上に人集りが出来ていた。
それが何の為に集まった人集りなのかは分からない。サイレン音は一向に止む気配を見せない。
何があったんだろう。
すると聞き慣れた声が聞こえてきた。
「総悟ぉおお！！！」
近藤さんの叫び声。
もしかしてまた、総悟さん街の破壊行動でもしたのかな？だとしたら、今日も残業確定だ。
すると、どいてくださいという声がかかる。恐らく真選組の隊員の声だろう。
だが多くの人はその声も聞かず、携帯を手に持ち高く掲げ動画だが写真だがを撮っている。自分勝手な人達に腹が立つというより悲しくなった。
「お前らそんなにこの刀で斬りつけられたいのか。邪魔なんだよくそ供が」
すごく驚いた。
それは、いつも大抵は冷静な土方さんの本気で怒っていることがすぐ分かる怒鳴り声。
並大抵のことでは、あんな風になるわけない。
そういえば、一番にキレ出しそうな総悟さんの声がしない。どうして…
だんだんと開いていく視界。公園の中へと、歩みを進めていく。
一番に目に入ったのは、血に染まった悪夢。
……嘘だ。まさか嫌だよ。嫌…
刀で傷つけられたって、銃に撃たれたって負けじと挑んでいたあの人が。今は、隊員3人がかりで運ばれている。
血の雨を浴びたかのように、血に染まった彼。
その残酷さは一目ではっきりと伝わってくる。そして、苦しそうに荒い呼吸を繰り返している。
今なら、まだ許せるよ。
ドッキリでしたって言われても。そうなんでしょ？タチの悪いいつもの悪戯。
……いつものように笑って。お願い。
「…死なないで…」
その言葉がやっと声に出たのは、しばらくしてからだった。降り出した雨が血を、私の涙を洗い流す。
つんとした強い鉄の匂いがする。
冬の雨は、冷たく悲しい。
光が…どんどん遠くなっていく。いっそ、このまま闇に呑まれてしまえばいい。
また、戻ればいい。以前の私に。
「風邪引くアルよ」
「そうですよ」
神楽ちゃん…新八くん…
二人は私に手を差し伸べてくれる。
私、ずっと歩んでいく人生はずっと独り何だと思っていた。でも…違ったね。
もう、過去から逃げたりなんかしない。もう、捨てたりなんかしない。
忘れたくない。大切な…大切な人達を思い出を。
「…ありがとう」
二人の手を取ると、にかっと笑ってくれる。
力強く引かれた手。
私、変わってみせるから。そして、ちゃんとみんなに伝えるから。
出会えて良かった。
その言葉を必ず。
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千の歌を歌う人(プロフ) - コロさん» 有難きお言葉です！！すごく嬉しいです！頑張ります！！ (2019年7月30日 0時) (
レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
コロ - おもしろいです!!更新忙しいかもしれないけど頑張って下さいね!! (2019年7月29日 22時) (レス) id: 21d6130453 (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - サラダ油さん» ぱっちゃんはですね、主人公が付けたあだ名です！主人公は色んなあだ名を人に付けるもので…見てくれて、物凄く嬉しい限りです！！頑張ります！ (2019年7月29日 20時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - 新八は「ぱっちゃん」じゃなくて「ぱっつぁん」と呼ばれてますよ。面白いのでこれからも頑張って下さい！ (2019年7月29日 18時) (レス) id: 3eb4c4dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くれの | 作成日時：2019年7月24日 22時
