残念ながら凡人でした 【銀魂】【沖田総悟】

弐捌 食堂のおかん ページ29

すっかり日は暮れて、晩御飯の時間。
腹を空かせた男共が………集結する。


「ふん。ゴリラしか特徴のない局長に言われても」

「なんだと！？おい、ナイスバディ入れんの忘れるなよ！お前だってあんぱんだけだろ？！」

「もう、喧嘩はよしな。みんな待ってるだろ？」

「春おばさんだって、人気ランキングが俺の方が上だからっていじめるんです」

「なんだい。近藤さんだって、真選組の中で1番付き合いたくないランキング１位じゃないかい」

「それフォローになってないよ！！」


全くうるさい奴らだね。
後ろから野次が上がってるの分からないかね。


「土方スペシャル一つ」

「はいよ」

「春さん、宇治銀時丼一つ」

「はいよ」

「お母ちゃん、お代わりアル」

「はいよ」


もう大変だわ。
食べ盛りの子供達ばっかりで。家計が厳しくなる一方だよ。


「ちょっと！？手、抜いてるでしょ？マヨ単品だけなんて」

「おい、春おばさんやい。何だよこれおはぎじゃねーかよ！しかも買ったやつ」

「うるさい子だね。変わりやしないよ」

「っていうか、誰もツッコまないんですかィ？
何でうちの食堂に旦那達がいるんでィ」



“「はっ…そういえば」”


すると何を思ったのか、沖田さんは２人をロープでぐるぐる巻きにした。
そして、今まで幾度も見たドSの笑み。牢屋に２人をぶち込んで


「不法侵入でさァ。チャイナに至っては不法入国もな。さぁ、どうしよっかなァ〜」

「沖田くん許して、300円あげるから。駄目？」

「銀ちゃんこんな奴に謝ることないアル。こいつ税金泥棒の代表みたいなもんネ」

「そのロープに火つけたらどうなるかなァ。あっ丁度いい土方の野郎のライターがあらァ」


見せしめにライターをカチカチしてるよ…あの人。
でも、やっぱり２人が一緒にいると楽しそうだな。




地下から階段を上へと上がれば、大広間からはいつものように隊士達の騒ぐ声がする。
暗く冷たい廊下を歩いてけば、不快感極まりない匂いがした。


「春村さん、どうだ。真選組には慣れたか？」

「はい、おかげさまで」

「そうか…総悟の誘い断ったそうだな。おかげで、さっき一発くらわされたよ」

「私、ずっとここにいられるわけじゃないので。引き受けてしまうのは不責任だと」

「……総悟、あんな風に自分の感情を表に出さない奴だから。あんな風に見えて、結構傷付きやすいんだ、まぁSだしな。
自分の気持ちを正直にあいつに言ってやってくれ。
どんな………些細なことでも」

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