弐拾 私の願望 ページ21
「やっぱり…?」
「竹刀ダコだらけでさァ。ちょっと練習したくらいでそんな風になるなんて、弱っちょろい女でィ」
もしや………遂に……沖田先輩のドSが本発揮?!
「うおっ!!痛いッす…でも……これが先輩の愛なんすね!!………ん?……これ…」
「痛いとか騒がれたらたまんねェからな。今度からはそれ付けてやれ。あと、それが治るまでは竹刀持つなよ」
投げつけられたのは、よく剣士が付けてるイメージの布製の籠手だった。
………優しいなぁ。本当に…
「ったく。本当強がりだなお前ィ。相当痛いだろ」
初めて屯所で過ごしたあの日の夜のように、沖田さんが縁側に腰を掛けた。私も隣に座らせてもらう
「こんなの…沖田さん達が、人を守る為に負ってきた傷と比べたらちっぽけなものですよ。私も、強くなりたい」
「……強さっていうのは、単に力だけじゃねェ。
気持ちも、だ。剣に迷いのある奴は死ぬ…そう近藤さんが言ってた。お前ェの守りたいものはなんだ」
「私は、命を張ってでも何かを守っている人を守りたいです。そんな人達にも、帰りを待ち侘びる人が
必ずいるから……」
こいつは……とんでもなく真っ直ぐな奴だ。
泣いてる暇があれば誰かの為に笑い、悩み苦しみ暇があれば他人を思う。
でも……それじゃあ、こいつは………
そんなん、本心なんて分かるわけねェだろィ…
「お前ィさァ、他人優先しすぎ。てなわけで、願望3つあげてみろィ。はい、制限時間3分」
「へっ……!?がっ願望……えっと…あ!1健康で 2安全 、3安心 です!!」
「何、その企業のポイントみてェなの、却下」
「えー!!じゃあ…沖田さんに名前で呼んでほしいです。お前が定着してますよ?春村さん。はい、りぴーとあふたーみー!」
えっ………予想外すぎるだろ…
そして、英語の発音…
「A」
「えっ………あ、ありがとうございます」
やっぱりな、男慣れしてなさそうだからな……赤くなってやがらァ
「で?2つ目」
「え……えと…たまに…一緒に出かけたり…なんて……したいです」
こいつ……からかってんのか俺のこと…
「3つ目は?」
「沖田さんに生きていてほしいです」
……………生きていてほしい…?
「何でィ。死亡フラグ立てねェでくだせェよ…ていうか、それ全部俺への要求じゃねェか」
そう言うと、駄目ですか?なんて…
「A、随分と欲張りでさァ。
じゃあ、俺の願望聞いてくれやすよね?」
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千の歌を歌う人(プロフ) - コロさん» 有難きお言葉です!!すごく嬉しいです!頑張ります!! (2019年7月30日 0時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
コロ - おもしろいです!!更新忙しいかもしれないけど頑張って下さいね!! (2019年7月29日 22時) (レス) id: 21d6130453 (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - サラダ油さん» ぱっちゃんはですね、主人公が付けたあだ名です!主人公は色んなあだ名を人に付けるもので…見てくれて、物凄く嬉しい限りです!!頑張ります! (2019年7月29日 20時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
サラダ油 - 新八は「ぱっちゃん」じゃなくて「ぱっつぁん」と呼ばれてますよ。面白いのでこれからも頑張って下さい! (2019年7月29日 18時) (レス) id: 3eb4c4dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くれの | 作成日時:2019年7月24日 22時