残念ながら凡人でした 【銀魂】【沖田総悟】

弐 夢か現実か ページ3

「ちげーよ！ちょっと恐喝しようとしたら大声で叫ばれたもんでさ。おい？ちょっ沖田くん？！」

「それはいけねェや旦那。わざわざ自主しに来たんでィ？」


声……出ないや。
あれだけ会いたい、話したいって思ったのに。
目の前にいるのに…手を伸ばせば届く距離にいるのに…


「お前んとこ(しんせんぐみ)の方が情報多いだろ？見つかんなかったらうちに戻って来な、嬢ちゃん。」


銀ちゃん優しいなぁ……
でも…銀ちゃん家は甲斐性ないから、迷惑かけることなんて分かりきってる。


「ありがとう。銀ちゃん」

「銀ちゃん！！それで、名前は？」

「春村Aです」

「A…だな！あっあとこいつ、超超超ドSだから気をつけろよ」

「それは銀さん人に言えませんよ！！」









「ちょっ…沖田さん？えっと……」

「見ての通り取調室でさァ」


そんなこと分かっとるわな！！
ロープでぐるぐるに巻かれてることについてだよ！


「どこから来たんでさァ？」

「日本ですね」

「日本…ねェ……ちょっと待っててくだせェ」


えっ……今の質問だけで何か分かったの？沖田隊長すげーー！！


「これが、過去に春村さんと同じように出身国が日本と答えた人の過去の記録でさァ」


書かれているのは、およそ20年くらい前からのもので驚いたことに結構たくさんいる。
これって……夢じゃなくて、本当にトリップ？


「この人達がどうなったかって分かりますか？」

「急に行方不明になったり、そのままこの世界に暮らし続けたりと色々でさァ」


行方不明……それってつまり元の世界にってこと？


「行く当てねェんだったら、うちが保護って形になりやすがどうしまさァ？」


迷惑。そんな言葉が私の中を巡る。
迷惑だけは絶対にかけたくない。さっきだって、小声でめんどくせェって言ってたし。
何より、お荷物になってしまうのは確かだ


「私は……大丈夫です。自分のことくらいどうにかできます。ありがとうございました。時間を取ってしまってすみません」


私はこのアニメの人の事情を知っているからこそ、迷惑かけたくない。
……でも、結局は人と関わることから逃げてるだけなのかもしれない。いつも、いつも。


「うちのことは気にしなくていいんですぜィ？
………下僕としてこき使えるし…」

「大丈夫です。これ、解いてください沖田さん」


心の声漏れちゃってますよ。沖田隊長

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