#5 ページ7
マイキー視点
ケンチンとファミレスから帰ると家の前に誰かいた。
どうやら手土産を持っているらしく、インターホンを鳴らす前っぽい。
ジャリっとサンダルと地面が擦れて音を立てると、門の前にいた歳の近そうな女子はバッ!という効果音が付きそうなくらいの勢いでこっちを向く。
目が合っても何も話しかけてこないし、こっちから話しかけてしまえ。
マイ「ねぇ、うちの前で何やってんの?」
話しかけたら、分かりやすく固まった。
けどあっちも黙りっぱなしはまずいと思ったのか、
家に来た要件を話してくれた。
『あ……!の!どうやら佐野さんのお爺さんとうちのじいちゃんが知り合いらしいので、こっちに引っ越したら挨拶しろと言われまして!挨拶しに来たのと手土産を、』
マイ「ふーん、じゃあじいちゃん呼んでくるわ」
そう説明されたから、じいちゃんを呼んでこようと思ったとき、自分たちが歩いてきた方向と逆の方から子どもの泣き声が聞こえた。
上を見ればどんどん高いところまで飛ばされる風船。
高さはケンチンが跳んでも掴めるかどうかわからない。
しかし、俺が飛ばされる風船を見つけたと同時に家の前にいた彼女は駆けていた。
手土産はケンチンに押し付けられており、風の音ともに
『家の塀ちょっと借ります、』
と聞こえた。
駆けた助走を利用してうちの塀まで一気に登り、更にそこから風船めがけて高く跳び上がった。
彼女の目の前にヒモの真ん中あたりが来た時、パシッと掴み取りくるくると回転して着地。
そしてさっきまで泣いていた子どもに風船を手渡す。
この子どももさっきの一連の流れを見て泣き止んでいた。
あんな動きが出来るやつ、俺の人生の中で一人しか知らねぇ。
『はい、どうぞ。もう手放したらダメだぞ』
「お姉ちゃん!!凄い!ヒーローみたいに空でくるくるーって!あ、風船ありがとう!」
『どういたしまして。気をつけて帰るんだよ』
丹川 A。
小学生3年生の時に初めて出会った、じいちゃんの知り合いの孫でその時から並外れた運動神経にバネとバランス感覚を持っていたヤバいやつ。
そして、怒らせた次の日には玄関先に生きたセミを5匹くらい仕掛けてくるめちゃくちゃ陰湿なやつ。
396人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
希 要(プロフ) - あいさん» 紛らわしい表現をすみません!「殺.そうとした」という表現だと未遂や、やろうとしたけど無理だった的なニュアンスになってしまうかと思い、そう表現しました。混乱させてしまいすみません! (2021年10月8日 22時) (レス) @page40 id: d0c954cf97 (このIDを非表示/違反報告)
あい - あ、すみません💦ちょっと飛ばしちゃったみたいです…生きてるってちゃんと書いてありましたね (2021年10月8日 19時) (レス) id: b9012f6ce3 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 最新とっても嬉しいんですけど、真一郎くんって27話らへんでは生きてる設定だった気がします… (2021年10月8日 19時) (レス) @page29 id: b9012f6ce3 (このIDを非表示/違反報告)
希 要(プロフ) - あんこらさん» 2周もしてくださってる!?ありがとうございます、感無量です……!楽しんでいただけてめちゃくちゃ嬉しい……!作者冥利に尽きます!これからも楽しんでいただけたら幸いです! (2021年10月6日 22時) (レス) id: d0c954cf97 (このIDを非表示/違反報告)
あんこら - 読むのめちゃ楽しいです〜!もう2周してしまった… (2021年10月6日 17時) (レス) @page37 id: c635b6e2f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:希 要 | 作成日時:2021年9月24日 15時