田舎育ちのハイパー野生児が世間知らず過ぎてヤバすぎる【東京卍リベンジャーズ】

#2 ページ4

A視点


『あ、後は自分で大丈夫です。ありがとうございました』


「そうですか。なら、私たちはこれで失礼しますね。ご利用ありがとうございました」



本棚、テレビ、テレビ台とかの荷解きを業者さんに手伝ってもらい、大まかな自室は完成した。
なんならテレビの配線を手伝ってもらったりと助けられた。
精密機器とかの配線は説明書がないと何も出来ないくらい苦手なので感謝しかない。
お兄さんからも嫌な感じが全くしなかったし安心した。

さて、自分のものを荷解きしていこう。
テープをベリベリ剥がしていき、箱の中身を見た。



『あれ、なんだ？このカンカン』


まず目に入ったものは正方形の大きなお菓子の缶ケースだった。
荷造りの時に全く意識していなかったが、どうやら部屋にあったらしい。
中身を開けるとそこには手紙が入っている。



『手紙……？一体誰から……』



一通手に取って差出人を見てみると、そこには
「佐野 真一郎」「佐野 万次郎」「佐野 エマ」

と書かれていた。


『佐野 真一郎……、万次郎……、エマ……』


何かが私の中で引っ掛かった。
この3人の名前を読み上げたら、どうにもこの名前を初めて口にした感覚はしなかった。
しかも洋室でよぎった記憶の、あの時一緒にピアノを聴いていた人物たちについて何か思い出せそうなのだ。

他の手紙も手を探ってみると一通だけさっきの手紙とは違う手紙を見つけた。

#3→←#1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す