色を知らないお前に見せたい色、戸惑う色【高杉晋助】

第19話 ページ19

貴方side









高杉「A。」






貴「……あ、高杉様。」








あれからしばらく経った今日。




どこか嬉しそうな高杉様が横に来た








高杉「地球、出るぞ」






貴「……………え？」






高杉「宇宙に行く」






貴「う、宇宙………？」






高杉「あぁ。月がある所だ。」






貴「え………」








その言葉に思わず窓にかけより灰色の空を見上げる








高杉「宇宙には面白いもんがたくさんある

お前の刺激になると思ってな。」






貴「高杉様………………」







高杉「少し揺れるぞ」






貴「えっ、」








そう言い窓に寄りかかった高杉様に抱き寄せられる







高杉「外、見てみろ」





貴「………」







そう言われても顔を上げられない…







高杉「浮いてるの、分かるか」






貴「は、はい…」






高杉「どうした。見てねぇだろ」






貴「いや、あの……た、高杉様っ……」






高杉「あ？」







腰に回った腕、目の前の胸板、触れた所から感じる体温…





鼓動がうるさくて顔が熱い。




なんとも言えない気持ちで少し苦しい…。






でももう少しこうしていたいとも思う……。








高杉「揺れ、おさまったな」





貴「……………」








離れていく体温が名残惜しく思うのはどうしてでしょうか…







高杉「A、これからは俺がいいって言うまで



外見るの禁止だ。勝手に見んじゃねぇぞ」








ひらひらと手を振り部屋を出て行く背中を



ただぼーっと眺める








貴「男の人の肌ってこんなに暖かいものだったっけ……」

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