じゅうはーーーっち ページ19
「ま、それはともかく!どう?凄いでしょー、国木田くんの異能力!汎用性高いし、それに何より名前がかっくいーよねー!」
よっ、日本一!なんて適当な掛け声をかけると、ぴくりと青筋を額に浮かべた国木田くんは苛立ちを隠すことなく声に出す。
「分かったからお前は暫く黙っていろ……!___俺の異能力『独歩吟客』は、手帳の頁を消費する代わりに書いた物を具現化することが出来るというものだ」
「えっ、てかそれめちゃくちゃ便利じゃね?」
「な、何でも出せるってことか?ぐふ、ぐふふふ、羨ましいぜ........!」
「岡島アンタほんっとブレないね」
純粋に反応を返した杉野少年とは裏腹に全くいやらしい目を隠さない岡島少年。逆に尊敬するわ、とかなり冷めた目で彼を見る片岡少女や他の生徒たちの反応からして彼はこれが通常運転なのだろう。
うーん、中々にキャラ濃いよねこのクラスの子たち。
「何を想像しているかは知らんが、どんな物でも出せるという訳では無いぞ。出せるのは手帳の頁よりも小さい物に限られているし、突如襲われた場合は対応が遅れることもある」
至極冷静にそう言った国木田くん。そうそう、だから国木田くんは既に文字を書いた頁を懐に忍ばせてるもんね。
「超人的な能力でも欠点はあるんだなぁ........」
「ま、そりゃそうか」
「でもさ、それを抜きにしてもやっぱすげぇよ」
クラスの皆が各々の意見を述べていく中で、やはり感じ取るのは浮ついた空気。無理も無い事だが、これだけは忘れないようにと私は一個だけ言わせて、と人差し指をピンと立てる。
「きっと今初めて見た異能力に興奮している事だろうけど、そんな君たちに忠告。_____これ以上はあまり踏み込まない方が良い」
雰囲気の変化に気付いた彼らは大人しく口を噤んだ。うん、いい子たちだ。
「異能力者の皆がみんな私たちみたいにこの力を上手く使っているとは限りません!異能力によっては攻撃性に特化したものだって多くあるし、その力を人を傷つける為に行使する人間は少なからずいるんだよ」
まあ君たちなら大丈夫だとは思うんだけど一応さ!と、私はにっと口角を上げて笑った。
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いろどり(プロフ) - 実和さん» 返信遅くなり申し訳ありません!ええ!そんな、凄く嬉しいです、待ってくださる方がいる事がモチベーションに繋がります! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - ゑごまさん» 返信遅くなり申し訳ありません!不定期更新ですが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - ヴァンパイアさん» 返信遅くなりまして申し訳ありません!ありがとうございます、嬉しいお言葉が身に染みます! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - 河川革皮さん» 返信かなり遅れてしまって申し訳ありません!初めてのコメントとてつもなく嬉しかったです、ありがとうございます!頑張ります (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
実和(プロフ) - ワワワ、めちゃめちゃ楽しみに更新待ってたので通知来た瞬間飛んできました…!!!!!無理なさらない程度に更新頑張って下さい! (2021年1月14日 23時) (レス) id: 723f2dc3da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いろどり | 作成日時:2020年3月13日 15時