じゅうろーっく ページ17
「つまりこれ、私の異能力なの。『時間旅行記』って言ってね、時間の流れを変えることが出来るんだ。これで自分の体の時間を十五歳の姿に巻き戻してたって訳」
くるくると指を回しながら、簡単に説明していく。大分アバウトに言うとこんな感じだが、使いようによっては大変役立つこの異能力を私はとても気に入っている。
お分かりかな?と首を傾げると、業少年がそもそもさぁと椅子に深く腰かけた状態で口を開いた。
「さっきから思ってたんだけど、異能力って何?何でAちゃんはその力持ってんの?」
あ、そうか、そこからか。ヨコハマには意外とうじゃうじゃ異能力者いるからうっかりしてた。
ていうか業少年なんの躊躇いもなくちゃん付けなのね。この子大物になるわ〜なんて事を考えながら頭の中で言葉を整理する。
「ごめんごめん、そうだよねぇ。んーと、異能力ってのはまあ、そのままなんだけど常識では考えられない力って感じ。特殊能力って言った方が分かりやすいかな。ほら、よく少年漫画とかであるじゃん?ぶわーって手から火が出せたり、水が出せたり。人によって持ってる異能力は違うんだよね」
ここまではOK?とぐるりと教室を見渡す。殆どは余りに非現実的な話にぽかんとしているが、数人が頷いているのを確認してまた言葉を続けた。
「私たち武装探偵社には大きく分けて調査員と事務員が居るんだけど、調査員は殆どが異能力持ち。ヨコハマは色々と物騒だからね〜、皆もヨコハマに来る時は遺書用意してから来た方がいいかも?」
「縁起でもないことを言うな。その色々な物騒から一般市民を守る為にあるのが武装探偵社だろう」
「ひゅう、国木田くん言うねー」
かっくいい〜と茶化すように笑えば、喧しいと怒られた。国木田くんはこういう所が素敵だよね。普段は堅物で理想主義で太宰に振り回されてるイメージだけど。
「ま、とりあえずこんな感じかな。あとは?他にない?」
無いならこれで終わるよと言いかけたが、それを遮るようにシュバッ!と勢いよく不破少女の手が上がる。どうぞと促すとにっこり笑顔で立ち上がった。おおう、凄い、かなりの熱量を感じるぞ。
「国木田先生にも異能力、あるんですよね!?見てみたいです!お願いします!」
「ふふ、だってさ国木田くん。ご指名だよ」
まさか私だけに使わせといて見せてあげないなんてことは無いよね?との意味を込めてとん、と彼の脇腹をつついた。
436人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いろどり(プロフ) - 実和さん» 返信遅くなり申し訳ありません!ええ!そんな、凄く嬉しいです、待ってくださる方がいる事がモチベーションに繋がります! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - ゑごまさん» 返信遅くなり申し訳ありません!不定期更新ですが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - ヴァンパイアさん» 返信遅くなりまして申し訳ありません!ありがとうございます、嬉しいお言葉が身に染みます! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - 河川革皮さん» 返信かなり遅れてしまって申し訳ありません!初めてのコメントとてつもなく嬉しかったです、ありがとうございます!頑張ります (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
実和(プロフ) - ワワワ、めちゃめちゃ楽しみに更新待ってたので通知来た瞬間飛んできました…!!!!!無理なさらない程度に更新頑張って下さい! (2021年1月14日 23時) (レス) id: 723f2dc3da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いろどり | 作成日時:2020年3月13日 15時