Emptiness behind the smile . 2 “名探偵コナン” “トリップ”

(４６)：Bullying 2 ページ16

「お前も大変だな」



「そうよ。たかが男1人の為に、自分の将来が危うくなる様な事をするなんて…。
本当に頭の弱い子達」




担任と2人だけの音楽準備室。
担任が座る席の前に置いてあるソファに腰掛け、カフェオレを啜る。
ほんのりと立ち上る湯気が、飲み物の温かさを演出し、その温もりが私の冷えた心も温めてくれそうだった。




「どうせクラスの奴らとはもうすぐでお別れだ。せいぜい楽しませてやれよ」



「始末は私がしても？」



「個人的に気に入らない奴は俺が処理するさ」




“クラスの奴らとはもうすぐでお別れ”
我々組織は、此処、帝丹高校でテロを起こす。
少し世間に浮き出てしまうが、組織名なんて幾らでも偽れる。
この事を知っているのは、あのお方とラム、ジン、ベルモット、この男と私だ。
組織に潜入した公安やFBI、CIAの犬共にも嗅ぎつけられる前に、この山を終わらせたい。




「予定日は一応、11月の中旬頃だ。武器や無線の調達は俺とジンが仕切る事になっている。
お前とベルモットの仕事はあの大手企業の社長に色目を使う事ぐらいだろう。
教頭との取引が成立次第、俺が受け持ったクラスを爆破」




教頭との取り引き。帝丹高校では、教頭が生徒に性的暴行を行っていたりしていた。
この学年だけでもかなりの被害者が多く、その情報を掴んだ私達は、金を巻き上げるべく、テロを起こす。
お気に入りの生徒が集まっているのは私のクラス。
爆破する、とでも脅せば、顔を青くして金を用意するだろう、というジンの考えだった。
これは人助けでも何でもない。
ただ、我々組織の為に動くだけだ。

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