きゅんとしたら負け。

年上彼氏.2 ページ19

「電話もLINEもほとんど私からで」

「先輩は返事をくれるだけ」

「でも私はその先輩の返事をずっと楽しみに待ってるのに」




１つ年上の、大人な先輩。

かっこよくて一緒にいて楽しい、自慢の彼。


一緒にいれて嬉しい分だけ、離れていくとさみしいのは倍増される。


委員会、クラス会、打ち上げ。
私は先輩との用事があれば抜け出せるくらい大好きなのに、私は我慢ばっかり。



「……、私は大樹先輩が一番なのに、っ」


こんなんじゃ、付き合ってないのと同じ。
むしろマイナスな関係としか思えない。

ばか、ばか。

先輩のばか。


いつも先輩は何もしてこない

もしかしたら好きなのは私だけなんじゃないか、なんて何度も思った。


不安になった。


「…うん、うん。ありがとう。ごめん」


私のことを抱きしめる腕が暖かくて。
潤んだ瞳から涙が溢れた



「大樹先輩、私のこと好きですか」
「好きだよ、一番。大好きだよ」
「せめて、私の前では女の人と楽しそうに離さないで下さい、」
「うん。ごめんね」
「重いとか思わないで、私は先輩が好きで」
「好きだよ」
「先輩、先輩」
「なに？」
「最近キスもしてない……」
「……」



今までいっぱい我慢してたんだ。

だから今日はわがまま、たくさん聞いて。




ちゅーっと少し眺めのキス。

押し付けるだけのおこちゃまなキスが、ふたりを盛らせる。




「ブス。泣いてんじゃねえよもったいない」

「え」

「可愛いのにもったいない」

「大樹先輩〜〜〜！」






◇
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