微遠距離彼氏 ページ15
「結構待った?」
「待ってない。」
「嘘だ。俺遅刻したし」
「……じゃあ謝ってくれたらいいんでない」
「うん。ごめん。」
今日は今から大樹の家に行く。
だけど私と大樹はいわゆる他校同士のカップルというわけで、家があまり近くない。
なので、二人の家からちょうど真ん中くらいの位置にある公園で待ち合わせをしていた。
実をいえば二十分まえからいたけど、それは秘密。
会えただけで嬉しいから、そんなことを口にする必要ないの
「A」
「何?」
「服」
「あ、ああ。どう?」
「似合ってるんじゃないですか。」
「はは、ありがとう」
他の人から見れば、なんて感じの悪い言い方だろうと感じられるかもしれない彼の言葉も、私は彼なりの褒め方だとわかっている。
褒め方がちょっぴり下手なだけ。
褒められたという事実には変わらないから。
話したいことは沢山ある。
学校は楽しいかとか、部活はどうだとか、この間生まれたとかいう犬の子供はどうしたとか。
だけど、一番聞きたいのは
「疑ってるわけじゃないけど、聞いていい?」
「ちなみに浮気はしてません」
「うん。……うん。」
距離が遠い分、きっと普通のカップルの倍近く不安になる。
かっこいい大樹は、もしかしたら可愛いクラスメイトに言い寄られていないかとか
年上受けがいいから先輩に変なことをされていないかとか。
大樹が浮気なんて、そんなことしないってわかってるのに。
してないよって本人から言われると安心する。
「Aは」
「……え?」
「俺だって不安なわけですよ、Aさん?」
「しっ、してないよ!するわけない!」
______なら良かった、です。
大樹も同じ様に不安だったと聞くと、申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちで胸が溢れそうになる。
遠くたって、考えてることは一緒なんだね。
「久しぶりに会えて嬉しいってのも、俺だけじゃない……よね」
◇
微遠距離彼氏
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名乗るほどのものである - めっちゃ面白いですね。だいすきで、いっつもみてます! (2018年6月22日 22時) (レス) id: 47d2a3a5e8 (このIDを非表示/違反報告)
ぐーるな - 『卑屈な先輩』がきゅんきゅんしてお気に入りです〜!というか、1話目からきゅんきゅんして…負けましたぁ!! (2017年7月26日 17時) (レス) id: 1b19e65de3 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - ムードメーカーヤバイです!キュンっとしました! (2017年5月26日 22時) (レス) id: 1f7727a96e (このIDを非表示/違反報告)
雨飴(プロフ) - まさかの1話目で負けました、、、強すぎますよ (2017年5月26日 18時) (レス) id: 91eb9af7ae (このIDを非表示/違反報告)
江戸の兎 - 同じく、優男にやられました(チーン)でも、すごくきゅんと来ました!これからも頑張って下さい! (2017年5月19日 20時) (レス) id: 7c6ad326a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぐらたん。 | 作成日時:2016年2月21日 3時