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私は土方君の袖を掴んだ。
驚いた様子で振り返る土方君に私は口をパクパクさせ、「逃げよう」と声を出さずいった。
すると土方君は笑顔で私の頭を撫でた。
その撫でた手は今までで一番優しく感じた。

「いいか、俺か奴ら、どっちかが相手に手を出したら道場に逃げろ、いいな」

土方君は小声でそう言った。

「ダメだよ...置いていけない。」

土方君は悲しそうな顔をして、私の頬に触れた。
下を向くと、さっきよりも更に小さな声で言った。

「...頼む」

彼は多分、自分が喧嘩している姿を見られたくないのだろう。
殴られる自分や殴っている自分、それを見られたくないと思っているはずだ。
彼の顔からは複雑な感情が読み取れた。
腰から木刀を抜いた土方君は、ゴロツキの方へ向いた。

「おい、土方〜?いちゃいちゃ見せつけやがって」


土方君は、木刀を握る力を強くした。
その瞬間、私も後ろに足を引き走る準備をする。


「...3、2、1で仕掛けるぞ」

土方君は私が逃げやすいように、相手にカウントダウンを仕掛けた。
後ろからしか見えなかったが、土方君は笑っているように見えた。

「あぁ?」

「3」

「ふざけてんのかテメェ!!」

「2」

「うおおおおおぉ!」

「1」


土方君は飛びかかってきたゴロツキに飛びかかった。
微かに後ろを向き、「行け」と呟いていた。

私は全速力で足を回した。

と、その瞬間だった。
急に後ろから抱き締められるように密着し、止まった私の目の前には鋭い光を目立たせた長い刀が現れる。


「1人だけ逃げんのなんて、ルール違反だぜ?」


「っ!」


そう言って男は更に刀を首に近づけた。
そして土方君が喧嘩している方を向かされた。

私が捕まったことに気づいた土方君は、くそっ、と言って遅れを取りそのまま木刀で殴られた。

「っ!土方くっ」

土方君!とそう叫ぼうとした瞬間、後ろの男に口を閉ざされた。
男の顔は左の方の上に乗せられ、耳元に気持ちの悪い吐息がかかった。


「嬢ちゃん...しーだぞ?」


あの時のトラウマだった。
突然私は息が荒くなり、涙が出てきた。
目の前の光景もそうだ。

土方君が私のせいで遅れを取り、一気に攻められている。さっきまで優勢だったというのに。


「ひじ、...かたくっ...!」


「あら、泣いちゃった」

顔を見ずとも分かった。男が私を遊んでいるのが。
とても驚いたような声ではなかった。
まるで遊んでいるような声だ。

「おい!Aを離せ!」

九→←七



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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真撰組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年4月8日 19時

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