嫌いなアイツ【DJまる】 (ページ1)

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休み時間ページ1

私たちの休み時間はみんなでおしゃべりすることが多い。珍しく今日は女子の1軍が私たちのグループに話しかけに来た。

｢ねぇ、王様ゲームしない？？｣

…嫌な予感しかしない。久々に話しかけられて、王様ゲームしようだなんて。もちろん嫌とはいえず。

『いいよ！』

私は作りに作った笑顔でこう答えた。相手もニコニコとしている。

｢じつはもうくじ作ったの。みんなで引こ！｣

ぴったり私たちの人数分しかくじがないことから、私たちとしかやる気がなかったことがわかる。

くじを引くと、見事に相手側の子が王様になった。そして満面の笑みで、それしか考えてなかったように言い放つ。

｢じゃ、決めた！｣

｢Aちゃんが竜之介と付き合う！｣

『え？竜之介くん、？』

思考回路停止状態だ。竜之介くんなんて話したこともなければ話しかけられたこともない。このクラスの男子カーストでトップに君臨する、そんな人なのに。私と？

ま｢…呼んだ？｣

『呼んでない、よ？』

ま｢いやハッキリ会話聞こえてきたよ、俺と付き合うの？｣

少し漂う雰囲気が怖い。

｢付き合ってあげてよ！Aちゃん可愛いし！｣

ま｢…いーよ。面白そうやん｣

了承されてしまった。ヤバい。そんな気持ちがどんどん膨れ上がる。もしも今後竜之介くんと歩いたり帰ったりする事があったら…。そう考えるだけで背筋が凍りつきそうだ。

だが竜之介くんは満面の笑みで私に話しかけた。

ま｢よろしくね。Aちゃん｣

『よろしく…。？』

ま｢今日は一緒に帰ろうか！｣

こんなことをみんなの前で平然とやってしまう竜之介くんがすごいと思う。私なんかと帰っていいのだろうか…。

『…いいけど…私なんかと帰っていいと…？』

ま｢え、お前俺の彼女やろ？｣

…本当に彼女になったらしい。

｢竜之介？王の命令やけんそこまで本気にしなくていいとよ？｣

それを見かねた1軍女子が竜之介くんに話しかける。もしも竜之介くんの事を好きだったらさぞかし辛いだろう。私も仮にそうだったら…と考えると辛い。

ま｢知っとーよ。でも一応俺の女やけん大切にはする｣

優しい発言なのか、なんなのか、はよく分からないが嬉しかった。

ガラガラッと先生が入ってきたのでここでゲームは一旦終了。この先どうなるんだろうと不安を抱えたまま授業に臨んだ。