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「え、孝太郎、今日は店いないの〜?」



「今日はいないよ。なんたって、休みだからー」



「ええー、やだぁ、寂しい」



「やだぁ、じゃねえんだよ。今日明日は休みだからなー、寂しいなら俺のために金用意してて♡」



「もぉ、しょうがないなぁ。じゃあ今度アフターしてよぉ」





嫌でも耳に入るその会話を聞きたくなくて、俺は無駄な行為だと知りながら2人に背を向ける。



2人きりでいると忘れてしまうが、こいつの職業はホスト。いくらこいつが男が好きだからと言っても、仕事柄女を相手にするのは仕方のないことだ。



‥俺だけ見てるってわけじゃない、と、改めて実感してしまう。





「俺帰る」





2人を視界に入れないよう、背を向けたままそう告げた。



返事を聞かないでなるべく速足で人込みをかき分ける。



別に、嫉妬なんかじゃない。と、自分に言い聞かせるしかなかった。





「ねぇ〜、今の子誰?店にいないよな?っていうか、今暇?一緒にご飯食べに行こうよー」



「え?いや、俺ちょっと‥」





だんだんと小さくなる声を背中で聞きながら、奥歯を噛み締めた。



‥なんかなぁ。





「‥もやもやする、気に食わねぇ」





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作者名:ヨッコラセ | 作成日時:2018年9月7日 23時

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