最終話 首領、13歳になりました。 ページ16
「あぁ……成程ねえ」
頭の片隅にある記憶を引っ張り出す。
間違いなくその言葉は、云ったことがある。
“好き”なものは幼女。
――それも、間違いではない。
の、だが。
「Aちゃんは、その……私のことが好きだから、
守備範囲外になるのが厭で死のうとしたのだね?」
「はい……」
「だとすれば。 それは、違う」
イマイチ、信じれないことを
恐る恐る言葉にすれば彼女はその言葉を肯定する。
それに安心し、彼女の間違いを指摘する。
「Aちゃんは“守備範囲”の意味をどう考えている?」
「愛することができる範囲、か。
せ、性的?……な、ことを許す範囲のこと……でしょうか?」
「
余りに素直な回答に少し吹き出す。
その行動を見て彼女が顔を赤くしてこちらを睨みつける。
愛らしいその姿に、「ごめんごめん」と柔らかな髪を持つ頭を撫でながら謝る。
「……好いかい、Aちゃん。
守備範囲とは“好みとする対象の広さ”のこと。
そして、好みとは“趣味”だ」
ゆっくりその場を離れ、投げ出した小包を探しに部屋を巡回する。
「更に、趣味とは“その物の持つ味わい・趣を観賞すること”。
余談だけれども、“好き”とは“気に入ること”だ。
――つまり、」
丁度、小包を見つけ、Aちゃんと向き合う。
「“これからは、見ているだけではないということだよ”」
跪き、彼女の前で小包を開ける。
その瞬間、彼女から短い悲鳴が聞こえる。
その声を、クラッカー代わりにでもしようか。
「誕生日おめでとう!」
もし、君が十六歳になったなら。
今、左手の人差し指に嵌めた指輪は
薬指に、つけようか。
首領、13歳になります。
―fin―
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臣民(プロフ) - みぃさん» ここまで閲覧して頂き、誠に有難う御座います! 私が書く森さんはただでさえぶっトんでいるのに次回作は更にそれを加速させそうです(苦笑) 少女漫画の様にまたキュンキュンとさせられることを目標に、頑張ります! (2018年7月16日 13時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 幸せな終わり方でしたね!! キュンキュンしました! 次回作楽しみにしています! 完結お疲れ様でした! (2018年7月16日 7時) (レス) id: d688bcfef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2018年5月27日 18時