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「流石は名探偵……」






コナン君にパチパチと拍手を送るキッド。



静かな夜の空気に、拍手の音がはっきり響く。








「……では」







そう言ってゆっくりと近付いてくるキッド。




後ずさるも、壁にぶつかってしまった。








「予告通り」







少しずつ近くなる距離に思わず目を瞑る。








「青と金の宝石を……頂くぜ!」







ふわりと宙に浮く感覚。




目を開けると、一番にキッドの顔がドアップで映った。







「なにっ!?」






横に目を向けると、コナン君の驚いた顔。




まさか本当に私を夜空へ連れ去るとは思いもしなかったのだろう。






「じゃあな、名探偵」





その瞬間、一気に満月が遠くなる。



地面に急降下しているのだろう。






「きゃっ……!」






ばさり。





そう翼が開く音がしたかと思えば、さっきまでいた窓の高さと同じ高さまで上昇。





コナン君の険しい表情が遠目に確認できた。









すると、コナン君はどこからかサッカーボールを出して足に手をやる。




……まさか、とは思ったけれど。









「ちょっ、危な………」







サッカーボールが、それはそれはものすごいスピードで飛んできたのだ。




ボールはキッドの顔スレスレを通り抜け、遥か彼方へと消えていく。





青い顔でキッドと顔を見合わせれば、乾いた笑いしか出なかった。









それにしても……いい匂い。




キッドに抱えられて初めて気付いたけれど、彼からは爽やかな匂いが漂う。




この匂い、好きかも。






「ふふ」





思わず笑みを零すと、キッドは不服そうな顔で「何ですか?」と聞いてきた。






「いいえ、何でも」





そう言って空に視線を移せば、満月と共に星が輝く綺麗な夜空が視界いっぱいに広がった。







ゆりかごのようにゆらゆらと揺れる体に、容赦なく眠気が襲う。



















「月が……………すね」






そんなキッドの声が聞こえたような気がしたけれど、眠気には勝てず、私は意識を手放した。

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設定タグ:名探偵コナン , 怪盗キッド , 黒羽快斗   
作品ジャンル:アニメ
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華美 - 木実こむぎ@Project KZ副隊長さん» 初期の頃からですか!ありがとうございます嬉しいです!これからも頑張ります〜 (2019年6月21日 19時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
木実こむぎ@Project KZ副隊長(プロフ) - うわぁぁあ( ;∀;)終わってしまった、、、初期の頃から読ませていただいてました!番外編待ってます!( ´ ▽ ` )ノこれからも頑張ってください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: 7f9bbdec25 (このIDを非表示/違反報告)
華美 - 雨上がりのcrewさん» わわ、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年6月19日 10時) (レス) id: 06514a18af (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください!! (2019年6月16日 15時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華美 | 作成日時:2019年5月7日 21時

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