蝶の片割れ【ハイキュー】【鬼滅の刃】

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蓮の葉が浮かぶ池の上に建つ木製の橋






向こう側の橋で向かい合って立っているのはこの鬼としのぶ姉さん






血を吐きながらも刀を構え直し、鬼に向かっていく






橋を割る程の踏み込みと低姿勢






そのまま姉さんは鬼の頸を狙って下から上へ勢いよく突き上げた






鬼は攻撃を止められずそのまま天井にぶつかり、重力に従って姉さんは落ちていく






・・・勝ったの？






そう思ったのも一瞬






鬼は笑っていた






それから氷の蔓で姉さんを引き寄せ抱きしめると言った





偉い、頑張ったね。と





姉さんより才もないのによく鬼狩りをやってこれた





死ななかったことが奇跡だ





涙を流しながら思ってもいないようなことをペラペラと






そして最後にこう言った






言い残すことはあるかい？






「地獄に堕ちろ」






口から血を流しながら言ったその言葉が姉さんの最後の言葉だった






鬼はそのまま姉さんの全身の骨を折って、殺した






だらりと力の抜けた手から刀が滑り落ち、ガシャンと音を立てた






・・・ここでふっと意識が戻る






涙が溢れて止まらなかった






体中が燃えるように熱い






心拍数が上昇していくのがわかる






殺してやる






お前だけは絶対に殺してやる






立ち上がり、深呼吸をする






肺に血が入ってゴロゴロと音を立てた






「深呼吸なんてするから血が肺に入って痛いだろう！すぐに楽にしてあげるから無理しないで！」






困ったような表情を浮かべる鬼に虫酸が走る







『・・・あなたのことを、カナエ姉さんが可哀想だと言っていた』






「可哀想？俺が？」






『なにも感じることのできない哀れな鬼だと』






カナエ姉さんは優しい人だった





優しすぎたんだ





自分の死の間際になっても私たちの心配ばかり





『私たちが当たり前のように感じている喜びや悲しみを理解できないのだと。私は鬼が嫌いだ。姉を殺したお前が心底憎い。だからカナエ姉さんのように鬼を可哀想だなんて思わなかった』






『でも、今初めてあなたを可哀想だと思った。・・・前世のこととは言え、柱三人分に匹敵すると言われている上弦のあなたが柱でもない階級の隊士に、頸を斬られてしまったのは本当に可哀想』






『上弦だなんだと謳っておいて、その程度。・・・可哀想ね』

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