蝶の片割れ【ハイキュー】【鬼滅の刃】

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『・・・どこなの、』






学校の敷地内を走り回って鬼を探すも気配が全くない





早くしないと皆さんが・・・！





焦りで刀を握る手に力が入る





「キャァァァァァ！！！！！！！！」





『！？』






今の声は、仁花ちゃん





まさか、鬼と鉢合わせた？





悲鳴が聞こえた方へ全速力で走る





『っお願い、無事でいて・・・！』





体育館に着くと悲鳴を聞きつけたのか数名の部員が集まっている





「は、なんだよ、アレ・・・」





「アイツ、人の腕、食べて、」





目を見開いて立ち尽くしたり口元を手で覆ったり、蹲って嘔吐している人もいる





間に合わなかった・・・？





中に一歩踏み入れた途端、肌がピリピリと痺れる





前世でも感じた、この気配は、上弦





バリバリと音を立てて骨ごと腕のようなものを食らっているその鬼は、私の気配を感じ取ったのかゆっくりと振り返ると笑った





「やっと来てくれた！待ってたよ！」





その言葉で部員たちの視線が私に向く





この場にいるのは、菅原さん、縁下さん、田中さん、影山くん、そして他校の部員が数名





「ちょっと待っててね、あとこの子食べたあとに君の番だから」





腰を抜かして震えている仁花ちゃんに鬼の手が伸びる





「！」






素早く仁花ちゃんを抱き上げ離れたところに着地し、追ってきた斬撃を刀で弾いた






「早いねえ！前は女の子守れてなかったけど今回はちゃんと守ったんだ！」





『さっきから何を言っているんです？待っていたとか今回はとか、』





ずっとニコニコしっぱなしのそいつに腹が立つ






「えーっ！！！俺のこと忘れちゃったの？悲しいなあ」





驚いた顔をしてこちらを見るその鬼の瞳には「上弦 弐」の文字





・・・カナエ姉さんから聞いた鬼の特徴、そしてあの日鴉が言ったあの言葉





こいつが、カナエ姉さんとしのぶ姉さんを殺した鬼






『上弦の、弐・・・』






「あ、やっと思い出してくれた？」






「忘れたなんて言わないよね？だって君は俺が殺したんだ。ねえ、しのぶちゃん」






カラン、と音を立てて面が割れて床に落ちる






「え、胡蝶さん・・・？」






誰かの困惑した声がやけに響く






『双子の姉と私を間違えるのは結構ですが、その腐った口で姉の名前を呼ばないでください』






そう言うと鬼はケタケタと笑う






「へえ、双子だったんだ、全然見分けつかなかったよ」

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