【黒子のバスケ】愛しているから閉じ込める【赤司征十郎】

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私はドアの前に居た。

ドアの隙間から見える光景は、一言で表すならば“不倫”だろうか。

ベッドの上で下着姿の男女がイチャついている。


『奥さん、本当に帰って来ないの？』
『あぁ。今日は社員旅行だからな』


見てしまった。

見なければ良かった。

分かっていたことだけど、慣れていたことだけど。


見たくなかった。


『二泊三日だからお前と居れる』
『ふふっ、嬉しい。大好きよ』
『あぁ、俺もだよ』


また……

またなのだ。
また…


そしてその男女はベッドに沈んでゆく。

何度も見た光景。
慣れている筈なのに、傷付くのは慣れていないから……？

私が弱いからだろうか。


もう……
もう止めて……


私を裏切らないで……



『愛してる……アンナ』


どうして？

どうしてその人に愛を囁くの？


結婚式で神様に誓ったでしょう？

《どんな時も愛し続ける》と。
それがどうして家族以外に向くの？


『私も……早く奥さんと離婚してよ』


他人の貴女が家の事に首を突っ込まないで。

もう滅茶苦茶にしないで。



『私と結婚してくれるんでしょ？貴方の子供だってどうすれば良いのよ』
『そうだな。分かってる。必ず離婚するさ』
『ふふっ、楽しみに待っているわ』


彼女の言葉を最後に私の意識は無くなった。


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