陽の目にも涙【巴日和】 (ページ3)

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オシャレなカフェにウキウキしてる私をよそに、日和君は席についてすぐに話を始めた

「Aちゃんはああいう男の人が気になるの?」

あれ、私そんなにあのお兄さんのこと見てた?

「丁寧な店員さんだと思って感心してただけだよ。いいお店にはいい店員さんがいるんだなあって」

「そう?だったらなんでもないね!」

...なんでもないって、何がなんでもないんだろうか。

若干モヤモヤが残ったまま、ドラマ撮影時の思い出話は始まった。

「Aちゃんが撮影中にコケた時は焦ったね」

「ああー、大人にもなって恥ずかしかったよ。日和君が受け止めてくれなかったら顔から地面にぶつかってたよ」

「うんうん!僕のおかげだね!女優さんなのに顔を傷つけたら良くないからね!」

「日和君もセリフ途中にくしゃみした時はびっくりしたね」

「あれは仕方ないね。でも、あの時はAちゃんもすごく笑ってたし、いい日和!」

「まあ面白かったからね。いい日和だね」

「なんだかAちゃん、僕の口調が移ってきてなぁい?」

「わっ、ほんとだ。ふふ、日和君とドラマ撮影で初めましてだったのにこんなに仲良くなるとはね」

私がそうやって笑ってみせれば、日和君は少し椅子を引いて心臓あたりをさすった。

顔もちょっと赤くなっていて、もしかしたら体調が悪いのかもしれない。

「日和君大丈夫?気分悪そうだけど」

「違うね。ああでも、ごめんね少し御手洗に行ってくるね」

あんな表情する日和君を初めてみたから心配だ。

それに少し焦ってるみたいに席を立っていたし、何があったんだろうか。

私がそうやってやきもきしていると、先程と同じ店員さんがキッシュと紅茶を2つずつ運んできた。

「あ、ありがとうございます」

食べ物を起き終わった彼はそのまま帰ることなく私に聞いてきた

「いえ、あの。女優の花橋Aさんですよね」

「はい、花橋Aですよ。私の事ご存知だったんですね。とても嬉しいです」

案内してくれた時は全然気づいていなさそうだったけれど、今こうやって声をかけてくれて嬉しい限りだ

「やっぱりそうですよね!僕最近花橋さんが出てるドラマ見てます!」

「それはどうもありがとうございます。紅茶とキッシュもありがとうございます。」

「いえ!良ければまたご来店ください」

「もちろん。お仕事頑張ってくださいね」

「はい!」

嬉しそうに帰っていく店員さんと入れ違いで日和君が帰ってきた。

「さっきの店員さん何」

なんだか怒ってる??