出会い ページ38
〈トレインの研究室〉
入ってきたのは、同じクラスのデイヴィス・クルーウェルだった。
「クルーウェル。3年生を殴ったというのは本当か。」
「ええ。あちらが襲ってきたので。正当防衛かと思うんですが。」
えぇ〜、デイヴィス・クルーウェルってそんな、ヤンキー的な人だったの?とランドルフはそれはもう驚いた。だって優雅にお茶とかしてるんだとばかり思ってた。
トレインはため息をついた。
「……怪我をしているのだろう。そこに掛けていなさい。」
呆れた口調でランドルフが座っているソファを見遣った。
クルーウェルは渋々ソファに腰を下ろした。勿論ランドルフが隣に座っていることは知らない。急に隣に人が来てランドルフはうっかり魔法が解けてしまったらどうしよう、と冷や汗をダラダラ流しながら、誰からも見えていないのに至って冷静な顔で本を読み進めた。当然内容はちっとも頭に入ってこない。
緊張状態で本を読んでいたらやはりと言うべきか、ページで指を切った。指にできた赤い線からぷっくりと丸く血が滲んだ。
痛いなぁと思いながらぺろりと傷を舐めていたら2つの視線に気づいた。
「……あ、やべ」
「……誰だお前、いつから……」
「ランドルフ……!?帰ったのだと思っていたが、まだいたのか。本まで消すなといつも言っているだろう。」
「いやぁ夢中になっちゃって。」
やれやれというふうにトレインは机に救急箱を置き、クルーウェルの手当を始めた。
「え?トレイン先生、コイツ誰ですか。」
「ヒドイな、デイヴィスくん……。
一応同じクラスなんだけど……」
「こんな髪の毛派手なヤツいたか?名前なに。」
「ランドルフだよ、ランドルフ・ボグジーズ。」
「……ランドルフ………?知らない。」
「ヒドイ😢」
そんなような言い合いをしていれば、
あっという間にトレインは手当を終えた。
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ヒューガ(プロフ) - 夢喰さん» ありがとうございます!頑張ります〜😊😊 (2022年6月17日 21時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
夢喰(プロフ) - 更新頑張ってください!!めっちゃ好きです!! (2022年6月13日 0時) (レス) @page23 id: 5ee2b54502 (このIDを非表示/違反報告)
ヒューガ(プロフ) - 月宮さん» えーッ!ありがとうございます!! (2022年5月5日 19時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
月宮 - うぐぅ...あ"...ずぎぃ... (2022年5月3日 18時) (レス) @page15 id: 23123a7f78 (このIDを非表示/違反報告)
ヒューガ(プロフ) - 洸さん» ありがとうございます!モチベーション上がります! (2022年4月26日 5時) (レス) id: 4a1ee837e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒューガ | 作成日時:2022年4月10日 8時