クル先のマブは美術教諭【twst】 (ページ11)

今日:46 hit、昨日:39 hit、合計:185,186 hit

介入ルーム！ページ11

〈ランドルフの部屋〉

｢なんで着いてくんの？部屋で待ってろよ。｣

｢お前いつ逃げるかわからんからな。｣

｢もう逃げねぇよ、、｣

ランドルフの部屋はシングルベッドと机、いくつかの棚が置いてあるだけの部屋だ。それなのに物が多い。机の上には液晶タブレットが置いてあり、画材も大量に棚に入っている(床にも転がっているが)。

本棚には様々な図鑑やら魔法史の分厚い書籍やら古代魔法学の教科書やら美術の資料やら広いジャンルの物がぐちゃぐちゃ並べられている。棚の上にはなんかの骨やらジュースの瓶、石膏像、ドライフラワー、キラキラ光る宝石っぽいものが置いてある。

大小様々なキャンバスが壁に立てかけられていたり、申し訳程度の小さなテレビが置いてあったり。散らかっているのにそこにあるべくしてあるような変な部屋だ。

クルーウェルはこの空間が嫌いではない。

ランドルフが引き出しから着替えとタオルを取り出す。

｢よし、俺の部屋に行くぞ。着いてこい。｣

｢ネエ……オレそんなに信用ない？｣

｢ああ。｣

結構食い気味に答えられたのでちょっとショックを受ける。

クルーウェルの部屋は想像通り白と黒と赤で統一されたものだった。クイーンサイズ程のベッドや洒落たローテーブルなど、比較的物は少ない。というか綺麗に片付いた部屋だ。

壁には彼が尊敬している薔薇の王国出身の有名なファッションデザイナー、クルエラ･ド･ヴィルの描いたファッション画(レプリカ)が額縁に入れて飾ってある。本物は手が出せないほど希少で高価だそうだ。レプリカでも１ヶ月分の給料は吹っ飛ぶらしい。クルエラは50年ほど前に亡くなったが彼女のブランドは今も尚世界で絶大な人気を誇っている。

｢なんで一人部屋なのにこんなベッドでけェの？｣とランドルフが前に聞いた時｢そのデザインの在庫がそのサイズしか無かった。ベッドがデカいに超したことはない。｣と言っていた。自分の使うもの全てに質感やデザインのこだわりを持つ彼の彼らしい妥協だった。

｢俺は見回り行く前にシャワー浴びたから、さっさと入れ。｣

｢横暴……！｣