居酒屋で会った婚約者【五条悟】

作戦会議 ページ40

｢……○・|＜÷%#→♪｣

｢は？｣

男は、僕達に聞こえない程の小さな声で何かを呟いた。
しかし、その瞬間周りの景色が一変した。

｢…領域展開か｣

周りの景色が｢視線｣に囲まれた状態となる。至る所から剥き出ている｢目｣は僕達を見詰めている。
本当ならさっさと此方も領域展開をしたいが、今自分の手元に彼女がいない以上触れる事は不可能。
つまり、今展開すれば彼女ごと無量空処の餌食になる。

｢…七海。領域を出れる出口は見えてる？｣

｢不自然な程無数にありますからね。それぐらい分かります。元々この世界を型どっている結界がかなり脆い物のようですね。その代わり1人が出れば強制的に閉じる仕組みに見えます。Aさんを抱えて出るのは不可能に近い｣

｢そっか。なら七海1人でも出てくんない？｣

その言葉に驚いた様に、七海は目線だけを此方に向ける。

｢説明を貰っても？｣

｢簡単だよ。僕が一瞬でもAさんに触れたらその瞬間に領域展開をする。その時に七海がこの領域内にいると僕のダメージ食らっちゃうからね｣

｢…分かりました｣

しかし。そう言って七海は一呼吸置いた。

｢頭を冷やしてから戦闘して下さい。今日の貴方は何処か冷静じゃない｣

そう言うと、七海は真後ろの目玉を潰して外に出て行った。









何だよ。冷静じゃないって。

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