三頁〜運命の確定3〜 ページ6
けたたましい叫(さけ)び声が教室に響(ひび)く。
当事者であるはずの雪城であったが、そんな声どこから出してるんだとか、喉(のど)つぶれないのかな、とか一人検討(けんとう)違いな考えを浮かべていた。
とりあえず、これを止めるべきであるとは思っていたが、いかんせん、方法が思い付かない。
どうしたものかと困っていると、場違いなほど明るく、弾(はず)むような楽しげな声がそれを打ち破った。
「はい、はーい! ちなみに俺の性別は何だとおもう!」
平助の問いに一瞬の静寂(せいじゃく)が訪れた。かと思えばクラスにドッと笑いが起きる。
「間中はどっからどう見てもβだろ!」
「『αかも』とでも言いたいのか! 分をわきまえろ」
「考えるまでもなくβオンリー」
さすがと言うべきか。あっという間にクラスの空気を変えてしまった。
……いや、まて。
そういえば、やたら馴染(なじ)んでるけどここ、お前のクラスじゃねぇよ?
相変わらず顔広いなあ。
「みんなの言うとおり俺はβだ! Aもやっぱりって思っただろ」
「えっと、俺は――」
「お前みたいなザ・凡人(ぼんじん)。β以外ありえねぇだろ!」
……遮(さえぎ)られた。
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作者名:フロース | 作成日時:2019年3月4日 19時