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第11話:親友との別れ ページ13

検査が終わり新たに発行された証明書を持って、そのまま役所へ向かう。今回の一斉魔力検査の結果を提出して国に報告をしないと、この国の人間は生きていけない。病院にかかるのも学校に通うのも、買い物をするのだって許してもらえなくなるからだ。

隣を歩くお母さんはにこにこしていたが、私は全く嬉しくなかった。
自分の存在価値が魔力(シャルム)の多さだけだと言われているような気がして。

終始笑顔の母親と浮かない顔をしている子供の組み合わせは、周りから見てさぞかし奇妙に写っただろう。


「オリヴィア、ちょっと話があるんだ。」


家に帰ると出迎えてくれたお父さんにそう言われた。その顔はいつも私を優しげに見つめる穏やかな顔ではなく、笑みを消し去った真剣な顔だった。

今までお父さんのこんな顔を見たことがなかったから少し緊張しながら彼の後をついて、部屋へと向かった。


「オリヴィア、あの子と……オズバーン家の子供と遊ぶのはもうやめなさい。」


部屋に入り、息つく間もなく放たれた言葉。それは優しかったお父さんの口から漏れたものだいうことを理解するのに数秒の時間を必要とした。


「今日、聞いたよ。彼のこと。オズバーン夫妻に。」


一言一言を噛み砕いてやっと、お父さんが私にルーファスと関わるなと、会うなと言っているのだと理解した。

幼稚園の先生が態度を急変させたのを見て、多少は覚悟していたが、まさかあの優しかったお父さんまでこんなことを言い出すなんて。


「それは……ルーファスが小魔力者(ベタード)だから?」

「オリヴィア、あのな」

「聞きたくない!……魔力が無かったらお父さんも私ことを見下すの?」


これ以上、優しいお父さんの口から汚い大人たちと同じ言葉が飛び出るのを聞きたくなかった。彼の言葉を途中で遮り、間髪入れずに言葉を吐き出す。


「私たちは、魔力の容れ物じゃない!みんな、みんな……お母さんもお父さんだって、ちゃんと私を見てくれない!みんなが見ているのは魔法使い(ソルシエール)としてのオリヴィアだけだ!」

「オリヴィア!聞いてくれ。」

「っ、やだ!もうお父さんなんて知らない!」


昨日から積もり積もっていた不満を吐き出す。悔しくて悲しくて目頭が熱くなる。
お父さんの言葉を首を激しく振ってかき消し、みんなが制止してくるのを振り切って家を飛び出した。

勢いでルーファスを訪ねたが、やっぱり夫妻は彼に合わせてくれないで。自分が惨めで、一人公園で泣いた。

第12話:世界を変えちゃえ→←第10話:唯一無二の存在



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えるふぃ(プロフ) - ゆいな♪さん» ゆいな♪さん、ストーリーをお褒め頂きありがとうございます(*´ω`*) 描写頑張った甲斐があります!これからもっともっと引き込んで行けるように頑張りますね!応援ありがとうございます! (2019年8月24日 23時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな♪(プロフ) - あわわ、す、すごいです!ストーリも分かりやすいので、凄い引き込まれます!更新頑張ってください! (2019年8月16日 13時) (レス) id: 0214723abe (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ぽむぽむぽあろさん» ぽむぽむぽあろさん、ありがとうございます!そんな風に褒めてくださって嬉しいです!読み手に情景が伝わるように書くのが目標だったので(*´ω`*) 夏休みに入ったら更新速度上げられるように頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年7月30日 22時) (レス) id: 2cfa1564f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむぽむぽあろ(プロフ) - 設定がしっかりしてるので、お話の内容がアニメーションになって頭の中に浮かびます。とても面白くて好きです。もっと伸びてておかしくないと思うので更新頑張ってください! (2019年7月30日 12時) (レス) id: b97deb3170 (このIDを非表示/違反報告)
えるふぃ(プロフ) - ちょこころねさん» ちょこころねさん、はじめまして!世界観とキャラの設定は一番力を入れたところなので、そこを褒められるとめっちゃ嬉しいです!文章長いのに一気読み、おつかれさまです!ちょこちょこ更新するのでよろしくお願いします! (2019年1月18日 10時) (レス) id: 2df896d132 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えるふぃ | 作成日時:2018年9月23日 21時

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