11:悪夢か現か ページ12
「ましてや刀剣男士と結婚したなんて。貴方は一体何を考えているんですか？」
ようやく銃の体制が整えられこちらに目線を送る大将は今度こそしっかりとAの目を射抜いていた。
だがAはそれに臆さず黙るだけ。きっと、実を言うところ自分でも分からなかったからだ。なぜあの刀に惹かれたのか。分からないから黙るしかなかった。
「それでね。俺、考えたんです。貴方が刀剣男士、一期一振に惚れた理由。もしかして、」
Aが答えられないことを分かっている大将はトントンと革靴を鳴らしながら近づいていく。
「俺に似ているからじゃないですか？」
あまりに突拍子の無い考えにAは面食らった。たまに大将はこう言う事を言い出す。何を考えているか分からないポーカーフェイスだが本当に何も考えていないんじゃないか。
Aが驚いて何も言わないでいると。
「あれ？違いました？うーんでも、
この水色の髪も、この黄色の目も、全部貴方の旦那さんとそっくりでしょう？」
旦那さん。それは一期一振のこと。確かに似ていた。彼と大将は。すらっとした細身の体に整った顔立ち。カラーリングまで一緒だった。
だが、Aはこう答えた。
『冗談はやめて下さい。全く似ていません。』
と。一期一振のどこに惚れたかは分からないのに、ただそれだけは断言して、はっきりと言ったのだ。
大将は眉をピクリと動かした。
『大将の目は、淀んでいます。もやがかかったみたいに。それにあの人は表情がコロコロ変わる。純粋だ。無表情の大将とは全然、全く、これっぽっちも違うんですよ。』
少し語気を荒めた言い方に一緒にするなと言うAの気持ちが見え隠れしていた。
「無表情なのはおあいこですよ。」
はあ、と息を吐いて目線を宙にやった大将。これで話は終わり。やっと解放されたかと思ったAは安堵した。つかの間。
「でも、これだけは覚えていて下さい。神なんていない。本当に頼れるのは自分だけ。
貴方も聞いたでしょう。あの事を。
もし、誰かが神だなんだと騒ぎ立てるものがいればその神と言われたやつなんて
ただの腐敗した化け物に過ぎないんですよ。」
それでは。と去っていく大将の後ろではAが倒れていた。
神なんていない。あの事。腐敗した、化け物。
その言葉が悪夢を生み出した。
【A！やっと私審神者になれるんだ！】
【私ね、刀剣男士の気持ち。分かってあげたいの。】
【みんなだけに戦わせるなんて出来ない。私も出陣する。】
あぁ、Aさんですか。あの方は、
お亡くなりになりました。
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蛍光灯(プロフ) - 瑠璃色さん» こんにちは！コメントありがとうございます！そんな事を言っていただけて嬉しい限りです(^ ^)私はシリアスが苦手なんですが、今回は何故か書きたい衝動に駆られ執筆しました。あまり本編ではまだ甘く出来なさそうなので番外編で書きたいです。更新頑張ります！ (2018年3月27日 10時) (
レス) id: f643b19803 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色 - 初めまして！いち兄を推している瑠璃色です！この作品はただの恋愛ものじゃなくてサスペンス要素が入っているのが読み応えがあって楽しいです！更新頑張って下さい！！ (2018年3月27日 10時) (レス) id: 3757eb64a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛍光灯 | 作成日時：2018年3月25日 20時
