Day8 ページ25
あれから、ゴン君とキルア君も全く訪れなくなった。
「…全く、暇だなぁ。」
客足が途絶える時間帯に彼らが来てくれていたから暇を潰せていたものの、彼らが来なくなった今、漠然と過ぎていく時間に飽き飽きする他に為すことは無い。
「はぁ。」
何回目かの溜息をつくと、店先を誰かが覗いた。
ヒソカ「やぁ。」
「あっ……」
問い詰めてやろうと意気込んだは良いものの、いざ本人を目の前にすると言葉を詰まらせてしまう。ヒソカは、私の動揺した様子に気付くと、何かを察したように苦笑した。
ヒソカ「……聞いたんだね。」
「…うん。」
ヒソカ「軽蔑した？」
「してないよ。」
ヒソカ「……嘘だ。」
「嘘じゃない。」
問答を繰り返す程に、ヒソカの鉄壁の笑顔は崩れていく。吐いた言葉が嘘ではないことを示すためにじっと見つめると、黙り込んでしまった。
「何があってもヒソカはヒソカだよ。」
投げかけられたその言葉に、今までの姿が偽りであったかのように形相を変えて応戦した。
ヒソカ「出任せなんて口ではいくらでも言えるよ。」
「何それ。まるで私が嘘ついてるみたいじゃない。」
ヒソカ「あぁ、君は嘘をついているんだよ。人を傷つけて、痛めつけて、挙句の果てには殺めて…そんなことが僕にとっては当たり前なんだ。気味悪く映らない筈がない。」
「そんなこと…＿＿＿」
その続きを遮るようにして、「ただいま。」と玄関の方から聞こえてきた。翔の声だ。
「「…。」」
喋るのを止めて、お互いをきつい視線で捉えた。
ヒソカ「…。」
視線を逸らしたのは彼が先だった。苛立った様子で地面を蹴り、去っていく。
軽蔑するって突き放せばよかったんだろうか。
どうすれば正解だったの？
生憎妥協する程の広い心は持ち合わせていなかったので、私には彼の言い分が理解できなかった。
……でも、喧嘩別れなんてしたら嫌だな。
さよならも言わずに遠ざかっていく姿が、余計に私を不安にさせた。
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かにかま(プロフ) - 音かなでさん» コメントありがとうございます。ヒソカの弱い面ばかり描写していたので、魅力が表現出来ているのか不安でしたがそう言って頂けて嬉しいです！勿体ないお言葉をありがとうございます。 (2020年3月20日 11時) (
レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
音かなで(プロフ) - 面白かったです！ラストとかヒソカすごくカッコよかったです！！翔くん大っ好きです！レオリオとかヒソカの恋愛小説って難しいんじゃないかって私思ってたんですけど、さすがかにかまさんですね！これからも、無理せずに頑張ってください！ (2020年3月19日 22時) (レス) id: 73c7ce9b4a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - mikuri1024さん» コメントありがとうございます。お褒めに預かり光栄です(^^) ふふふ、今後の展開につきましてはお楽しみに…！ (2020年3月19日 1時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
mikuri1024(プロフ) - おっ、これはヤンデレ展開くるか！？お気に入り登録して待機せねば！設定がとても好きです。応援してますね！ (2020年3月18日 22時) (レス) id: e18f624388 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 加奈さん» コメントありがとうございます。本家様の足元には到底及びませんが、暇つぶし程度に楽しんで頂けたら幸いです(^^) (2020年3月16日 16時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2020年2月26日 20時
