【H×H】初めまして好きです【イルミ】

有名人だァ！ ページ6

こんな緊急事態にこそ、平常心をたもつことが大切なのだ。(知らないけど。)


私はいつも通りに起き上がると、顔を洗って、朝ご飯を食べた。

気まずい沈黙と、穴が飽きそうなほどに見つめてくる視線に気付かないフリをしながら。



「「…。」」



目玉焼きを口に含んだ時、彼が不意に尋ねる、



？「…ねぇ、君の名前は？」


新〇誠かな？というツッコミは置いておいて、素直に答えた。


？「…A…ふーん。俺の事なんて呼んでたっけ？」


いきなりのピンチだ。適当に名前を行ってみる…？いや、そんな賭け危険すぎる。


グルグルと頭を巡らせていると、彼はまた続けた。



？「あだ名って印象に残りそうだし、もし聞けば思い出せるかと思って。」




おっと、これは意外な助け舟。絞りだせ、A。ありったけのネーミングセンスを込めて彼のニックネームを…！




「あー…えっと……黒髪ロング？」



頑張って絞り出した結果がこれか、と自分ですら呆れてしまう。こんな訳の分からないあだ名(？)を付けられた彼は、すぐに困惑した表情を浮かべた。



？「それは特徴だろ。」


「じょ、冗談、冗談！！」


「それにイルミ・ゾルディックに一文字も掠ってない。」


「…イルミ・ゾルディック？」


イルミ「何？」


「あっ、いや、ごめんなさい。ちょっと呼んでみたかっただけ！」



…イルミ・ゾルディックか。

かくして、私は彼の本名を初めて知った訳だ。



(やった…！これで、誤魔化さなきゃいけないことが1個減った。)



*



「仕事があるから。」と早朝の街を抜けていく彼を見送った後、私はすぐに検索エンジンにその名を打ち込んだ。




「イルミ・ゾルディック……検索候補なし。」




ってことは、彼は逃走犯だったりする訳！？


念の為「イルミ」で検索を掛けたが、その結果は変わらず。


ただ、「ゾルディック」の文字を打ち込めば、途端にヒット数が数百倍にも膨れ上がったのだ。




(何事？……ん！！？？)




検索結果の1番上には、堂々と「暗殺者一家」の見出しが。そして、ゾルディック家の住所が公開されており、あろう事か私の家のめちゃくちゃ近所だったのだ。

恐らく、ここが彼の…イルミ・ゾルディックの実家で間違いないだろう。


そう言えば、この物件を買おうとした時に執拗に止められた気がする。あれは老朽化した物件に対する気遣いだと思ってたけど……



(もしかして、死に急ぐなってことだったの！？)

血濡れブラウス（非売品）→←敷金返還は期待できない

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