【H×H】初めまして好きです【イルミ】

形勢逆転 ページ29

イルミ「…いや、もういいよソレ。」


「ソレとは…？」


イルミ「俺のこと好きって言わないと殺されると思ってたんでしょ。」


「えぇっ！！？き、気付いて…いつから！？」


イルミ「二日目くらいから。」


「割と初期！！！」



面倒くさそうに頭を掻くイルミさん。
心配しないで、もう殺すつもりは無い。と、私から離れようとした。

すかさずその腕を掴んで私は引き止める。



イルミ「…何？」


「だから好きなんですってば。」


イルミ「で？」


「返事、返事下さいよ！」


イルミ「返事…」




暫く顎に手を当てて考えた後、イルミさんは急にバッと視線を移して私を見た。




イルミ「…まさかお前、本当に俺のこと好きなの？」


「す、好きですよ。何回も言わせないでください。」


イルミ「…。」




何…？無言になられるって一番怖いんですけど。私を凝視する視線に緊張が走る。



「あのー………うわっ！？」



返事を催促するより早く、彼は私を両手で抱き抱えると山頂向けて歩き出した。いわゆる お姫様抱っこってやつだ。

みるみる抜ける山道。
過ぎ去る木々。



「ちょ、ちょっと！！？？」


イルミ「煩い。」


「何処へ？」


イルミ「母さんのとこ。お前を嫁にする。」


「え、は、はぁ！？恋人から始めましょう、ね？」


イルミ「そういうのめんどくさい。」



結局のところ、最初から最後まで振り回されるのは私の方らしい。…まぁ、そんな自由奔放なイルミさんのことが好きなのだけども。





イルミ「…恥ずかしい奴。」


「……口に出てました？」


イルミ「全部ね。」




無表情だと思っていた彼の頬が、少しだけ赤みを帯びていることに気付いて私は小さく笑った。

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